幻覚パズルアクション『Extreme Evolution: Drive to Divinity』発表。生命体としての姿を変え、サイケなオープンワールドをトんでゆこう
ゲーム開発者のSam Atlas氏は9月3日、パズルアクション『Extreme Evolution: Drive to Divinity』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)で、2023年リリース予定だ。
パズルアクション『Extreme Evolution: Drive to Divinity』はAtlas氏にとって4作目となるゲーム作品。同氏いわく、本作は「生物学と変身、神格への昇格についてのゲーム」だ。なんとも抽象的な紹介文である。たしかに本作スクリーンショットでは「experiment」(実験)や「vein」(血管)など生物学的な用語も登場。しかし、今のところその意味するところは不明だ。
公開された本作トレイラーも、きっかり1分で終わる短い内容だ。どのようなゲームか詳しくは明かされていないものの、アバンギャルドな雰囲気が漂っている。筆者の印象としては、極彩色の空間で繰り広げられる、人間や虫、車の躍動感あふれるアニメーションに目を奪われた(そしてそれ以外のことは何もわからなかった)。特段の暴力・性的描写などは存在しないものの、なんらかの“違法性”を感じさせるほどに刺激的である。
謎多き本作ながら、ゲームプレイについても一部明かされている。Steamの紹介文には、「どんな障害にも、無数の、部分的に重なり合う解決法がある」と書かれてある。プレイヤー自身がそれぞれの方法で問題解決に挑める仕組みだろうか。
またゲームシステムのあらましとして、獲得した通貨(§)を消費しながらさまざまな変身を繰り返すとも解説されている。キャラクターは容貌ごとにそれぞれ異なる特徴を備えており、動き方も異なるらしい。大きくジャンプできる「カー」、天井にぶら下がれる「スパイド」、力仕事ができる「トラック」など、複数の容貌を組み合わせて進んでゆく必要がありそうだ。トレイラーに登場している車や多足の虫は、変身の一形態だろうか。一方で貯められる通貨の量には限度があり、通貨を消費することでその最大値を上げることができるなど、駆け引きの要素もある模様。作者自身の言葉を借りるなら「選択のゲーム」だということになる。
作者のSam Atlas氏はこれまでに3作をリリースしている。『Space Hole 2016』を皮切りに『Space Hole 2018』『Space Hole 2020』と2年おきに新作を発表していた。Steamレビューではいずれも「好評」以上のステータスを獲得。『Space Hole 2020』は、スミソニアン・アメリカ美術館が執り行う、ゲームにおける創造と革新の祭典「SAAM Arcade 2022」にて展示されるインディーゲーム8作品の一つに選出された。なお今年のSAAM Arcadeは「色・線・形」をテーマに、視覚表現に優れたゲームを取り上げることになっていた。
Atlas氏の作風を探るべく、筆者は『Space Hole 2016』の本編と『Space Hole 2020』のデモ版をプレイした。前者は球になりきって宇宙空間に落下しないようゴールまで転がるアクションパズルゲーム。本筋に関係のないギミックが派手で、プレイしているうちにくらくらしてきた。Steamユーザーレビューでは音楽とのシナジーを評価する声も高い。『Space Hole 2020』はあたかも『Space Hole 2016』の続編のようなタイトルだが、プレイした感覚はだいぶ異なる。こちらは、ゲームというよりも、ある種の芸術作品に近い。
『Extreme Evolution: Drive to Divinity』はPC(Steam)向けに2023年リリース予定。本作は、どのような体験をもたらす作品になるだろうか。