鳥類裁判ADV『鳥類弁護士の事件簿』待望の日本語化、国内Nintendo Switch向けに発売へ。証拠を集めて矛盾を指摘、法廷に正義をもたらす猛禽類
パブリッシャーのレオフル(Leoful)は、法廷バトルアドベンチャー『鳥類弁護士の事件簿』を、2022年内にNintendo Switch向けに発売すると発表した。
『鳥類弁護士の事件簿』は19世紀フランスを舞台にした法廷バトルアドベンチャーだ。 物語の舞台となるのは1848年のパリ。のちに1848年革命と称されることになる動乱のただなかであり、無実の罪で投獄される動物たちが後を絶たない。そんな中、プレイヤーは、弁護士としての腕前は心もとないハヤブサのジェイジェイ・ファルコンとして、相棒のスパロウソンとともに裁判を戦い抜いていく。
プレイヤーの目的は、無実の罪で起訴されたフランス国民を助けること。その目的を達成するため、実在するパリの名所を巡り、さまざまな動物たちと出会い、状況に合わせて賄賂を贈ったり尋問したりしながら情報を集めていく。さらに本作は、プレイヤーの選択によって物語のエンディングが変化する、マルチエンディングシステムを採用している。
本作『鳥類弁護士の事件簿』は『Aviary Attorney』の日本語ローカライズ版だ。もとはKickstarterキャンペーンから出発した作品で、Steamでは2015年より配信中(関連記事) 。また海外 Nintendo Switch向けにも2020年に発売されていた。Steamでは本稿執筆時点で、910件のレビューのうち95%が好評とする「圧倒的に好評」のステータスを獲得している 。高評価アドベンチャーゲームが、7年の時を経てNintendo Switch向けに日本語ローカライズされるかたち。
本作の魅力はグラフィックやサウンドにもあるだろう。 ゲーム内に登場するイラストはどれも味があり、美麗でありながらどこかユーモラスな雰囲気が漂う。このゲームに使われているイラストを描いたのは19世紀の画家J・J・グランヴィル。人間の服を着た動物たちの絵によって社会を風刺した画家である。一方、BGMを作曲したのはカミーユ・サン=サーンス。「動物たちの謝肉祭」などで知られる、ロマン派を代表する作曲家である。両者ともKickstarterのキャンペーンでは開発 チームの一員として紹介されていたが、物故者であり、活躍した年代を考えれば偉人と言ってよいかもしれない。 歴史的な芸術家たちによる品の良いアートワークと荘厳な楽曲も、本作の魅力を高めているのだろう。レオフルによると、同社には『Aviary Attorney』のファンがおり、日本とアジア向けにこのゲームを届けたいと思ったことから日本を含むアジア展開を決めたそうだ。
さらに今回は日本語版の発売決定を記念して、玻都もあ氏によるスペシャルイラストも公開されている。同氏は2011年に、さまざまな種のハトを攻略していく恋愛アドベンチャーゲーム『はーとふる彼氏』をリリースしたクリエイター。同氏が本作の発売を祝するイラストを寄せたのは、鳥類を題材にしたアドベンチャーという共通点からかもしれない。
『鳥類弁護士の事件簿』は2022年内に、ニンテンドーeショップでのダウンロード販売に加え、パッケージ版の発売も予定。パッケージ版の予約は、本日より一部のオンラインストアと実店舗で受け付けを開始している。価格はダウンロード版が税込3278円で、パッケージ版が税込3850円である。なお、レオフルに訊いたところ、本作のSteam版では日本語実装は予定されないそうだ。現時点ではあくまでNintendo Switch版でのみ『鳥類弁護士の事件簿』が楽しめるようである。