Steamストアの「宣伝画像」にルール導入へ。デカデカといろんな文字を入れるのはNG
Valveは7月29日、Steamのストアとライブラリに表示されるグラフィックアセットカプセルについて、新たなルールを設けたと開発者向けに告知した。新ルールは、今年9月1日から適用される。
グラフィックアセットカプセルとは、Steamのストアやユーザーのライブラリに表示させるために、開発者が用意するゲームのイメージ画像のこと。配置場所によっていくつか種類があり、基本的にゲームのタイトルロゴを含むキーアートなどが使用される。
Valveは、最近のグラフィックアセットカプセルには、多くのテキストや受賞ロゴ、レビュースコアなどが含まれるようになったとコメント。そうした追加的な情報を含めた結果、ゲームのロゴが非常に小さくなり読みづらかったり、レビュースコアが現状を反映していなかったりといった問題があると指摘している。また追加のテキストは、ほとんどの場合英語で記載されるため、非英語圏ユーザーには伝わらないとも述べている。
Valveは、開発者の意図は理解するものの、プレスレビューからの引用やプレスレビュースコア、特別な賞については、ストアページに掲載するための専用スペースが設けられているとコメント。そして、ストアのグラフィックアセットカプセルに関するルールをより明確にするとした。具体的には以下のとおりである。
・レビュースコアを入れない
・賞の名前を入れない
・割引のマーケティングコピーを入れない
・他の製品を宣伝するテキストまたは画像を入れない
・その他のテキストを入れない
つまり、ゲームのアートワークやゲーム名、公式サブタイトル以外の情報は掲載しないように求めている。一方で、大型アップデートや季節のイベントについて告知することは、一定の条件下で認めている。それは、アートワークオーバーライド機能を利用し、最大1か月の期間限定とすること、テキストをローカライズすること、新コンテンツの説明に限定することの3点である。このほか、ライブラリのグラフィックアセットについても、同様のルールが設定された。詳しくは公式ブログを参照してほしい。
Valveが指摘したような追加情報が含まれるグラフィックアセットカプセルは、確かにストア上ではよくみられる。また、高評価タイトルであることを示すために、ユーザーレビュースコアを掲載するケースも多いが、日々変動するスコアに合わせて更新されていなければ、間違った情報を掲載する格好となってしまう。
膨大な数のゲームが配信されているSteamにおいては、開発者としては何とかして自らの作品をアピールしたいと考えるものだろう。その結果として、ユーザーの目にまず飛び込んでくるグラフィックアセットカプセルに、情報を詰め込む流れが生まれたのかもしれない。Valveがこのタイミングでルールの見直しを図った背景は不明だが、小さな画面をもつSteam Deckの普及により、見辛いなどの不満を述べるユーザーが増えてきた可能性はありそうだ。
今回示されたグラフィックアセットカプセルの新ルールは、今年9月1日から適用される。開発者にはそれまでに、新ルールに準拠するように適宜変更することが求められている。準拠していないゲームは、Steamストアでの露出が制限される場合があり、またSteam公式のセールやイベントへの参加対象外になるとのことである。