Valveは8月26日、「Steam Deckブックレット」を作成したとして、配布を開始した。先日より、日本・香港・台湾・韓国向けのSteam Deckの予約受付が開始し、2022年内にも出荷が開始見込み。それを受けて、Steam DeckはもちろんValveやSteamのことを新規顧客に知ってもらうために作成されたとのこと。つまり、これからPCゲーマーになる人に向けた小冊子というわけだ。しかし、興味深い内容を含むボリュームある読み物にもなっている。
Steam Deckブックレットは約50ページのボリューム。まず最初に、『Half-Life』や『Portal』『Counter-Strike』などを手がけてきたゲームメーカーとしてのValveの紹介がおこなわれ、同社がSteamコントローラやValve Indexなどのハードウェア開発に進出したことにも言及。そして、PCゲームプラットフォームであるSteamについて、その成り立ちから利用できるサービス・機能までが詳しく紹介されている。
ページの多くを割いて紹介されているのは、もちろんSteam Deckについてだ。開発の裏側を紹介するパートでは、約10年前にSteamコントローラを開発している際にSteam Deckの着想を得たことや、当時はまだ実現できるハードウェアが存在しなかったものの、将来に備えてプロトタイプ製作を開始したことなどが語られている。Steamコントローラをはじめとする、Valveがこれまでに手がけてきたハードウェア製品からの教訓や開発した技術が、Steam Deckに活かされているという。
このほか、Steam Deckのハードウェア仕様や、Windowsの代わりに搭載されたLinuxベースのSteamOS、およびゲームを実行する互換レイヤーProton、またSteam Deckの設計思想についても紹介。ユーザーが所有するSteamのゲームがSteam Deckでも利用できることや、快適に動作するかどうかの検証が進められていることも説明されている。
そして最後のページでは、Steam DeckとSteamOSの今後の展望が語られている。このなかでValveは、Steam Deckは多世代にわたる製品だとコメント。今後もハードウェアとソフトウェアの改良を繰り返し、“新しいバージョンのSteam Deck”を市場に送り出す予定であると明言した。また、次世代のSteam Deckに望むことについて、意見を聞かせてほしいと呼びかけている。
SteamOSについては、新機能の追加や、Protonを介したゲーム互換性の向上など、今後も進化していくという。そうした改善は、Steam Deckの今後のバージョンを含め、ライフサイクルを通じて継続されるそうだ。また別のページでは、SteamOSのインストーラーが一般向けにリリースされ、あらゆるPCで利用可能になることも案内。Steam Deckのようなゲームデバイスを開発する、ほかのメーカーが利用できるようにもするとのこと。
このほか、Steam Deckの互換性に関する取り組みは、ChromeOSなどほかのプラットフォームにも受け継がれるとし、間もなくすべてのChromebookユーザーにSteamのゲームサポートが提供されるとのこと。また、Steam Deck向けに開発されたUIは、近日中にデスクトップ用クライアントのBig Pictureモードでも利用できるようになるとのことだ。
Steam Deckは、日本・香港・台湾・韓国向けには株式会社KOMODOを通じて販売される。KOMODOは、Valveのハードウェア製品などの国内向け販売を手がけていたDegicaから派生した企業だ。Steam Deckブックレットでは、同社がValveと密接に連携して、Steam Deckの販売から返品処理などのカスタマーサポートまでを提供することも説明されている。
Steam Deckブックレットは、SteamのこちらのページからPDF形式にて、日本語版・韓国語版・繁体字中国語版・英語版がそれぞれダウンロード可能。9月15日から開催される東京ゲームショウ2022では、物理版のブックレットも配布予定とのことだ。また、Steam Deckは現在予約受付中である。