YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」開設。“ゲームの面白さを底上げ”する、開発者もプレイヤーも楽しめる動画をお届け
ゲームクリエイター・桜井政博氏が8月24日、YouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」を開設した。「ゲームの面白さを底上げしたい」という桜井氏の意図のもと、 ゲーム内の仕組みや仕様についてわかりやすく解説していくチャンネルとなるそうだ。
チャンネル概要欄には「『星のカービィ』『大乱闘スマッシュブラザーズ』などのディレクターが、ゲーム制作にまつわる、あるいは役立つ話をします」との説明があり、記事執筆時点ですでに3つの動画が投稿されている。
そのうちの一つ、「このチャンネルについて」の動画内では、「ゲームプレイ実況で遊ぶ方面ではなく、ゲーム開発・ゲームの面白さなどに則した話をしたい」というチャンネルの方向性について明かしている。また、「ゲーム制作の様々なことを番組にしたら、より多くの人に何らかの気付きを与えられる可能性」を考えたという、チャンネル開設の目的についても説明。ゲーム開発においては、非常に初歩的なことも解説していく方針を示しており、まったくのゲーム開発初心者でもわかりやすい動画づくりを目指しているようだ。一方、テクニカルなことはあまり解説しないとのこと。桜井氏はその理由として、それぞれの開発環境による違いや、秘匿事項の多さを挙げている。
なお、動画では『大乱闘スマッシュブラザーズ』の開発ROMにおける映像や、桜井氏の作成した開発資料などを取り上げることもあるという。ファンにとって貴重な映像となりそうだ。そうした資料については、任天堂の許諾を得ているとのこと。一方でチャンネル自体はあくまでも桜井氏個人が開設したものである点は強調されていた。また同氏は本チャンネルから収益を得ることを目的としていないそうだ。そのため、動画内広告などは設定されず、動画の時間も短くしていくとのこと。他方、動画のための編集スタッフや翻訳スタッフがいるため、動画を作れば作るほど赤字になってしまうという。同氏はこれについて、「これはボランティア。ゲーム業界への投資だと思って進めます」という意気込みを明かしている。
また、「大事なところはストップ!」の動画で桜井氏は、さっそくゲームの演出についての解説をしている。ヒットストップを例にとりながら、それが「ある場合」と「ない場合」を比較しつつ、「大事なところでは画面を一時停止する演出」の重要性について説明をしている。動画内では、ボスを倒したときに一時停止をする演出のことを「ボスストップ」と呼んでおり、これは桜井氏自身が仕様上で作った用語とのこと。実際のゲーム映像をまじえつつ話が進められていくため、ゲーム開発経験のない筆者でもわかりやすく、また興味をもって視聴することができた。 Twitter上では、さっそく動画内のノウハウを実践するゲーム開発者もあらわれているようだ。
桜井氏の開設したYouTubeチャンネル「桜井政博のゲーム作るには」。チャンネルについての説明動画は、ゲームの面白さを底上げしたいという桜井氏の熱意がうかがえる内容であった。これからどのような動画が投稿されていくのか、楽しみに待ちたいところだ。
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