邪教運営アクション『Cult of the Lamb』のある表現が注目を集めている。NPCである信者が、突然「ウンチで作った料理を食べたい」と要求してくることが明らかになったからだ。信者の突飛な行動に対して、専門家による動物の生態と照らし合わせた見解が投稿されている。
『Cult of the Lamb』は、カルト教団の運営とダンジョン探索の要素を持つアクションゲームだ。主人公は旧き信仰の司教たちによって一度処刑されながら、”待ち受けし者”によって復活した子羊。自身の教団を育てて力をたくわえながら、ダンジョンの奥に待ち受けるボスたちを倒すのがゲームの目的だ。本作は教団を運営するパートと、ダンジョンを探索するアクションパートの二つで構成される。このたび注目を集めたのは、教団の運営パートでのとある信者の依頼だ。
教祖であるプレイヤーは、信者からの依頼をこなすことで信仰心を高めることができる。依頼の内容は「特定のアイテムがほしい」「施設を建ててほしい」などさまざま。しかし中でも注目を集めたのは、なんと「ウンチで作った料理を自分に食べさせてほしい」という依頼だ。ためらいながらも、自身の内に秘めたる葛藤を述べる信者。もとより本作はカルト教団らしいブラックな描写を多く含むものの、さすがに「ウンチ料理をほしがる信者」は多くのプレイヤーが受け入れられなかったようだ。Twitterでは海外ゲームメディアPolygonの共同設立者Russ Frushtick氏が「このゲームは『どうぶつの森』シリーズのような(平穏な)ゲームじゃない」とツイート。プレイヤーからはほかにも「教団から追い出せ」「そんな信者は生贄に捧げてしまえばいい」と、「ウンチ料理をほしがる信者」には辛辣な言葉が浴びせられた。
一方で、専門家にとってはこの行動は理解できるようだ。このツイートに農林業や家畜の研究を専門とするAshley Conway博士が反応。Frushtick氏の投稿したスクリーンショットの信者がロバ(またはウマ)であることを前提として、「ウンチ料理」を欲する信者の描写は科学的に正しいと説明した。
Conway氏は動物の食糞行動について、ロバやウマ、ウサギといった動物は吸収しきれなかった栄養素を摂取するために、自分のフンを食べることがあると説明。そのためロバ(またはウマ)の信者が「ウンチで作った料理」を食べたがるのは、科学的に正しい描写であると述べた。プレイヤーに敬遠された「ウンチ料理をほしがる信者」に、専門家として理解を示したかたちだ。なお本作の信者には、実在の動物のほかにもさまざまなスキンが存在する。プレイヤーが信者のスキンを変更することも可能なため、「ウンチ料理」を欲しがる信者が、必ずしもロバやウサギの姿をした信者だとは限らないことも留意したい。
なお信者からの依頼には、「特定の信者に無理やりウンチを食べさせてほしい」というプレイヤーの倫理観が問われる依頼も存在する。これらの「ウンチを食べる信者」は本作のプレイヤーに強烈な印象を与え、Redditのフォーラムには、すでに彼らのファンアートが投稿されている次第だ。
キュートな見た目とブラックな要素のギャップが注目された本作。8月12日の配信開始直後にはSteamの同時接続プレイヤー数が6万人を達成するなど、好調な滑り出しを見せている(関連記事)。
もしプレイ中にウンチ料理をほしがる信者がいたら、毛嫌いせずにそっと助けてやるべきかもしれない。
『Cult of the Lamb』は、PC(Steam/GOG.com)/Nintendo Switch/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに配信中。