Google Playアプリ内の「意地悪な広告表示」が規制へ。ユーザーの快適な体験を阻害するような広告が一部禁止

 

Googleは7月27日、Google Playのデべロッパー向けのポリシーを更新した。ユーザーに質の高い体験を提供するため、広告の表示方法変更を求めている。具体的には、全画面広告の“邪魔なタイミング”での表示などだ。 海外メディアGame Developerが伝えている。


更新後のGoogle Playデベロッパープログラムポリシーでは、アプリ内でユーザーの体験を妨げる形で表示される広告の表示が禁止される。具体的な条項については以下のとおり。なお、以下のポリシーは9月30日より発効される。

  • 一般にユーザーがなんらかの操作を選択したときに突然表示される、あらゆるフォーマット(動画、GIF、静止画像など)の全画面インタースティシャル広告は認められません。
  • ゲームをプレイ中、レベルの冒頭やコンテンツ セグメントの開始中に表示される広告は認められません。
  • アプリの読み込み画面(スプラッシュ画面)の前に表示される全画面動画インタースティシャル広告は認められません。
  • 15 秒経過後に閉じることができない全画面インタースティシャル広告は認められません。オプトインの全画面インタースティシャル、またはユーザーのアクションを妨げない全画面インタースティシャル(ゲームアプリのスコア画面の後に表示される場合など)は、15 秒以上表示することが可能です。

一つ目の条項は、ユーザーの特定の操作の際に意図に反して表示される広告の禁止を指す。インタースティシャル広告とは、ユーザーが閉じるまでアプリのインターフェース上に全画面表示される広告を指す(Google AdMob) 。二つ目の条項ではさらに具体的なケースが示されている。例を挙げるならば、ステージをクリアしていくゲームで、次のステージを選択するボタンやリトライボタンを押した瞬間に流れる全画面広告などのことだろう。そうした表示方法では、ユーザーは次のステージをプレイするための強制的なインターバルとして広告を視聴、そして広告を閉じなければならない。


三つ目の条項では、 アプリが起動される前に表示される広告が禁止される。スプラッシュ画面とは、アプリを起動した際によく見かける、開発企業のロゴなどが表示されている画面を指す。スプラッシュ画面に広告が挿入されると、ゲームをプレイする以前の段階で、アプリの起動時間に加えて広告まで再生されてしまうわけだ。そうした理由から、ユーザーの快適な体験を阻害すると判断された可能性はある。

そして四つ目の条項では、15秒以上閉じることができない広告が禁止される。たとえば、一定時間が経過すると「閉じるボタン」が表示されるタイプの全画面広告においては、15秒以内に閉じるボタンを表示することが求められるわけだ。 しかし、こちらには例外がある。「オプトイン」方式の広告と、ユーザーの行動を妨げないとされる一部の表示タイミングだ。オプトインとは 、ユーザーが広告の再生を了承している状態を指す。たとえば、広告の視聴によりゲーム内のスタミナや通貨を獲得できる「リワード広告」などの場合だ。また、ステージのクリア後や動画コンテンツ再生中といった、ユーザーのアプリ使用をそこまで妨げないとされ るタイミングに関しては、15秒以上閉じられない広告表示も容認されているようだ。


このようなポリシーの変更は、プレイヤーにとっては煩わしくもある広告の減少として、前向きに受け取られることだろう。しかしながら、それは同時にアプリを出す側 の広告収益の減少も意味しかねない。 このポリシー変更により、アプリ内広告の表示はどのように変化していくだろうか。また、プレイヤーの体験にはどのような変化をもたらすのか。今後に注目していきたい。なおGoogle側は、これらのポリシーの遵守を新規または既存のすべてのアプリに求めており、広告の表示方法の変更について7月27日より1か月間の猶予期間を設けている。