マイクロソフトのXbox Series X|SおよびXbox One本体の起動時間が、大幅に短縮されるようだ。現在、Xbox Insiderプログラムの参加者向けにテストがおこなわれているという。
*Xbox Series X|Sの起動画面
ゲーム機の起動時には、特色あるアニメーションが表示されることが一般的だ。マイクロソフトの場合、Xbox 360やXbox Oneでは球体のXロゴに動きをつけたアニメーションを取り入れ、Xbox One Xではさらに基板上のチップを映し出し4K対応を強調。そして現行機であるXbox Series X|Sでは、幻想的なサウンドと共に、Xboxの文字とロゴが浮かび上がるシンプルなものとなっている。
マイクロソフトのエンジニアリングリードEden Marie氏と、統合マーケティング担当ディレクターJosh Munsee氏は7月24日、開発中の新機能のテストに参加できるXbox Insiderプログラム向けの最新ビルドにて、Xbox Series X|S本体の起動時間が短縮されたことを明らかにした。Munsee氏は、従来9秒程度の長さがあった起動アニメーションについて、新たに4秒ほどのものを制作したとのこと。実際の起動時間はさらに数秒を要するものと考えられるが、少なくともアニメーション分で5秒程度は短縮されることになる。
起動アニメーションを短くしたから起動時間が短縮されたわけではなく、起動時間が改善されたためアニメーションをそれに合わせたのだと、Marie氏は説明する。アニメーションが流れている背後では、起動にかかわる処理がおこなわれている。今回、その処理の最適化が実施されたということだろう。マイクロソフトは、かねてより起動時間の短縮に取り組んでいたそうだ。
また、シニアプロダクトマネジャーリードのJake Rosenberg氏によると、Xbox One世代の各本体においても、起動時間が短縮されるという。こちらは具体的な数字は示されていないが、Rosenberg氏は「著しく速くなる(noticeably faster)」とコメントしている。
*海外メディアThe VergeのTom Warren氏が起動時間を比較。アニメーションが高速化されていることが分かる。
なお、今回示された起動時間の短縮は、コールドブートすなわち電源オフ状態から起動した場合に適用されるそうだ。Xbox Series X|SおよびXbox Oneでは、省電力モードを利用すると電源がオフになる。電力を節約できる代わりに起動に時間がかかるため、クイック起動モードを選んでいるユーザーは多いかもしれないが、起動時間が短縮されるとなると省電力モードを利用しやすくなりそうだ。サステナビリティへの取り組みをおこなうマイクロソフトとしても、より多くのユーザーに省電力モードを利用してもらいたいという狙いがあったのかもしれない。なお省電力モード中でも、システムやゲームのアップデートのダウンロードはおこなわれる。
Xbox Series X|SおよびXbox One本体の起動時間の短縮を含むシステムビルドは、現在Xbox Insiderプログラム向けに提供中。テストが終了し次第、全ユーザーに提供されることになる。