猫アドベンチャー『Stray』の架空文字、一部解読される。まだまだ謎多き意味深な謎文字

猫の描写が話題を呼んだ、サイバーパンク風アドベンチャーゲーム『Stray』。本作に登場する架空の文字が解読され、アルファベットとの対応表が公開された。しかしすべての謎文字が解読できるようになったわけではなさそうだ。

猫の描写が話題を呼んだ、サイバーパンク風アドベンチャーゲーム『Stray』。本作に登場する架空の文字が解読され、アルファベットとの対応表が公開された。しかしすべてのゲーム内の文章の意味がわかるようになったわけではなさそうだ。

『Stray』は、一匹の猫を主人公とするアドベンチャーゲーム。対応プラットフォームはPC(Steam)およびPS4/PS5。プレイヤーは猫を操作して、サイバーパンク風の街を探索する。開発陣の“猫愛”に溢れた、リアルかつ豊富な猫の描写が注目を集めた作品だ(関連記事)。

本作の世界には、あちこちに独自の架空文字が使われている。一部ラテン文字による英語表記もあるものの、看板や新聞の活字、手書きの文章に至るまで、棒と丸を組み合わせたような独自の“謎文字”で表記されているのだ。この文字の意味は字幕で表示されるが、ゲームの進行に関わらない部分は字幕が表示されない。そのため7月20日のゲーム配信直後から、一部のプレイヤーによってこの文字の解読が進められてきた。ゲームライターのJosh Wirtanen氏が、これらの文字を解読に成功。アルファベット26文字との対応表を、自身のゲームメディアHalf Glass Gamingにて公開した。

Image Credit: Josh Wirtanen

この対応表を用いてゲーム中の文章を読み解くと、いくつかの興味深い事実が判明した。Wirtanen氏によれば、各章のタイトルと字幕は、必ずしもまったく同じ単語が使われている訳ではないとのこと。例えばチャプター4のタイトル「スラム」。表示される謎の文字を解読すると、実際には大きく「HOME」と書かれ、下の小さい文字は「Slum Part 1」と書かれていることがわかった。また、字幕と謎文字の意味の違いからは、意味深さも浮き彫りになっている。

Image Credit: Josh Wirtanen

また一部の謎文字は複数の書体、もしくは字体を持っていることも判明している。確認されているだけでも、「P」は2通り、「E」は3通りの字体が存在するとのこと。複数の字体が存在する理由は不明。推測ながら、大文字・小文字のような表記上のルールや、フォントによって字の形が異なる設定があるのかもしれない。また、手書きの謎文字については使い回されている場所もあり、すべてに必ず意味があるとは限らないようだ。

この架空の謎文字について、Wirtanen氏のほかにも調査しているプレイヤーがいる。Redditの『Stray』 フォーラム上の投稿によれば、架空言語で記述された文章は英語のほかにも、フランス語やラテン語を元にした文章もあるとのこと。さらに文章の中には、解読しても意味をなさないものが混ざっているという。中には「Lorem Ipsum」と呼ばれる、有名な“仮のテキスト”が謎文字で記述されているケースも見つかったという。これはポスターなどのグラフィックデザインを作る上で使われる仮の文章であり、やはり文章として意味が通じるものではない。

字体が複数存在することや、内容が多言語にわたることからも、ゲーム中のすべての謎文字の意味が理解できるようになったわけではなさそうだ。今後も解読の試みは進められていくことだろう。なおフランス語が使われていることについては、『Stray』のデベロッパーであるBlueTwelve Studioがフランスのスタジオであることも関係しているかもしれない。

『Stray』はPC(Steam)およびPS4/PS5向けにそれぞれ発売中。PS Plus エクストラおよびPS Plus プレミアムに登録しているユーザーは、追加料金なしでプレイ可能だ。

Aya Furukawa
Aya Furukawa

主にニュースを担当。ビジュアルや世界観にこだわりのあるゲームが好きです。

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