『Apex Legends』の公式世界大会にて、ある選手のスポーツマンシップ溢れる行動が注目集める。他チームの選手をあえて見逃す
『Apex Legends』の公式世界大会「Apex Legends Global Series Championship」が、アメリカ・ノースカロライナ州のPNCアリーナにて、現地時間7月7日から10日にかけて開催された。そこでおこなわれた試合での、ある選手の行動が注目を集め、賛辞が贈られているようだ。海外メディアDexertoなどが報じている。
本大会では、世界各国・地域を勝ち抜いてきた40のプロチームが、Year 2グローバルチャンピオンの称号と賞金総額200万ドル(約2億7400万円)をめぐりしのぎを削った。そして今回注目を集めたシーンは、大会3日目のLosers Round 2の試合中での出来事とみられる。Losers Round 1の上位10チームと、Winners Roundの下位10チームが、Finalへの出場権をかけて戦った。
上のツイートの映像が問題のシーンだ。TSM所属のImperialHal選手のカメラが映し出されており、試合開始直後と思われる。周囲を確認していたImperialHal選手は、少し離れた場所にほかのプレイヤーを発見。そしてエイムして様子を伺ったあと、「あいつクラッシュしているぞ」と述べる。無防備な状態でまったく動かないことから、そのプレイヤーは操作不能に陥っていると察知したようだ。
そしてImperialHal選手はすぐさま、「彼を撃つな、撃つなよ」とチームメイトに何度も呼びかけている。動けない状態のプレイヤーを一方的に撃って倒すのは、フェアではないという判断だろう。その後、相手の仲間が飛来してきたことでSCARZ所属の選手だと確認したImperialHal選手らTSMチームは、その場を離れている。
特に本大会のような高額な賞金がかかった試合においては、各チームは何としてでもより多くのポイントを稼ぎたいところ。今回のシーンは、ある意味ではイージーに1キルを獲得できる場面だったが、ImperialHal選手にとってそのような選択肢はなかったようだ。上のツイートや同選手のアカウントなどには、彼のスポーツマンシップを讃えるコメントが多数寄せられている。一方ImperialHal選手自身は、「今回のような問題に遭遇した場合には誰でもするような、当然のことをしたまでだよ」と謙虚なコメントを残している。
なお、動けない状態になっていたプレイヤーは、どうやらSCARZ所属のrpr選手だったようだ。当時、彼は回線落ちしていたという。今回のImperialHal選手の行動に賛辞を送る別のツイートに対しrpr選手は、「彼は愛すべき男だ」と返信している。
ちなみに、SCARZはrpr選手を欠きながらもFinalに進出し、TSMも勝ち上がった。大会の最終的な結果は、DarkZeroがグローバルチャンピオンに輝き、TSMは7位、SCARZは11位となっている。