HEROZ株式会社は7月4日、プロフェッショナル向け将棋AI解析サービス「棋神アナリティクス」のサービスを開始した。無料プランと有料プランが用意され、有料プランの基本料金は月額1万1000円(税込)。月に10時間利用でき、それを超えた分は20円/分での従量課金となる。
「棋神アナリティクス」は、最新のディープラーニング系将棋AI「dlshogi」と、やねうら王系将棋AI「水匠」での解析を、Webブラウザで同時解析できるサービスだ。ボタンひとつで誰でも簡単に操作できるUI/UX環境が用意され、将棋AI研究をサポートするという。また、HEROZの計算環境で強化学習した、「dlshogi」の最新モデルが利用できるのは本サービスのみとのこと。対応OSはWindows/macOS/Android/iOSで、対応ブラウザはChrome/Safari/Edge/Firefox(最新版推奨)。
ディープラーニング系将棋AIを活用した研究においては、通常はハイエンドGPU/CPUなどへの高額な投資が求められ、複雑な導入過程が存在し、またハードウェア・ソフトウェアの定期的な更新も必要。そのため、将棋AI研究の情報格差は拡大の一途を辿っていたという。「棋神アナリティクス」では、そうしたハードルとなる部分を一手に担い、ユーザーはブラウザからアクセスするだけで、サービスを利用できるというわけだ。
同サービスの計算資源としては、NVIDIA A100×8を搭載したサーバー9台が用意され、HEROZの計算環境で強化学習を実施。現在公開しているモデルでは、約20億局面を学習しているとのこと。
なお、無料プランではAI解析は利用不可。棋譜のクラウド保存・参照も100局までという制限がついている。棋譜ファイルを開いたり、再生・編集したりといった機能については利用可能だ。有料プランでは、もちろんすべての機能が利用できる。「棋神アナリティクス」の詳細は公式サイトを確認してほしい。
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