デベロッパーのAngel Matrixが手がけ、今年6月17日にPC(Steam)/Nintendo Switch向けにリリースされたアクションゲーム『Neon White』。Steamのユーザーレビューにて「圧倒的に好評」を得るなど好調な滑り出しとなったが、早くもチーターの存在に悩まされてるようだ。海外メディアKotakuなどが報じている。
『Neon White』は、一人称視点の3Dアクションゲームだ。主人公は死後地獄行きとなるも、贖罪のチャンスを獲得。悪霊ハンターとなり、天国で永住する権利を賭けて戦うこととなる。本作には特徴的な要素として、ソウルカードが存在。ステージ内に配置されたソウルカードは武器であり、破棄すると固有のアビリティを発動できる。ソウルカードを取捨選択しながらステージを疾走し、悪霊を倒してゴールを目指すのだ。
本作では、各ステージをいかに速くクリアできるかが目標のひとつであり、やり込み要素でもある。ステージは立体的な構造をもち、ソウルカードを駆使しながら、巧みにショートカットしていくことが最速タイムへのカギとなる。本作にはオンラインランキング機能も用意されており、プレイヤーらは日々しのぎを削っている。ところがそのランキングにて、不自然なタイムが登録され注目を集めているようだ。
あるユーザーは、あらゆるステージを0.6秒でクリアしているプレイヤーがいると報告。到底あり得ないタイムである。また別のユーザーは、複数のステージを決まって約15秒でクリアしているプレイヤーがいると報告。添付されたスクリーンショットを確認すると、あるステージでは15秒は突出したタイムではないものの、別のステージでは2位の半分近くのタイムとなっている。常に約15秒でクリアするというのは、やはり不自然だ。こうした報告は、Steamの掲示板にも複数寄せられている。
オンラインランキングに登録されたこのような不自然なタイムは、何らかのチート行為によるものとみて間違いないだろう。実際、本作で使用できるチートツールが出回っているようだ。ツールの詳細は伏せるが、たとえばタイマーを止めたり、被ダメージを無効にしたり、ソウルカードを無限に使用できたり、といったことが可能になる模様である。
本作はシングルプレイゲームであるため、チートの使用については基本的にはプレイヤーの自由だ。ただ、不正に達成されたタイムが、オンラインランキングに登録されるとなると話は別。特に本作のようなスタイルのゲームでは、最速クリアを目指すことは大きなやりがいとなる。あり得ないタイムが1位に居座っていることは、ほかのプレイヤーにとって不快でしかないだろう。
こうしたチーターの存在について、開発元からは特に声明は出されていないものの、認識はしている様子。本日6月28日にSteam版向けに配信された最新アップデートのパッチノートには、「Implemented known hacker ban list」との記載がある。チーターと確認されたプレイヤーを、オンラインランキングから除外する仕様を実装したものと思われる。当面はこれを対応策とするようだ。
一方、自らのタイムをランキングに登録しないようにできる「dontUploadToLeaderboard」設定も追加されている。開発元の意図は不明だが、もしかするとアクションが苦手なプレイヤーがチートに頼る場合に、ほかのプレイヤーに配慮できるよう用意されたのかもしれない。今回の一件は、どのようなゲームにでも、チーターは現れることがわかる事例となった。
『Neon White』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに配信中だ。