『エルデンリング』スーファミ風デメイクの映像クオリティが高い。往年のRPGを参考、デメイク映像職人による渾身の一作

 

エルデンリング』をスーパーファミコンゲーム風にデメイク(昔風に再構築)した映像が投稿された。人気タイトルのデメイク映像を作ってきた集団による新作である。随所にそのこだわりが感じられる仕上がり。まずはその映像を見てみるといいだろう。


冒頭には“それらしいパッケージ”が映し出され、その後画面はフィールドへ。ドット絵を用いたなんとなく見覚えのあるフィールドが確認できる。その後トロルの降下シーンやアステールとの戦闘シーンもちらり。近接戦や魔法戦、そして角でつかみかかられるシーンも描かれており、かなり原作再現度が高い。ラダーンとの戦いや、地下墓の“あるある”、マレニアとのバトル、ラニとの会話など、同作における印象的な場面が、まったく違うスタイルながら極めて忠実かつ美しく描かれている。

動画のテーマは「もし1995年にスーパーファミコンにて『エルデンリング』が発売されていたら」。特筆すべきは、『エルデンリング』の世界が鮮やかなピクセルアートで描かれている点だろう。この映像作成においてはスーパーファミコン時代の『聖剣伝説2』や『ファイナルファンタジーVI』といった往年のRPGを参考にしているという。精細なドット絵表現のほか、ブラウン管のようなフィルターがかかっていることで、ノスタルジックな雰囲気が演出されている。

この映像を作ったのは、映像製作者集団64 Bits。アニメやゲームを愛する3人のクリエイターが、人を笑わせたり幸せにしたりするパロディ映像を作るために活動している。投稿頻度は数か月に1本とあまり高くないが、ひとつひとつのクオリティがとにかく高い。『ゼルダの伝説』を『ペーパマリオ』シリーズ風にアレンジした「Paper Zelda」や『Cuphead』に『ダークソウル』の世界観を持ち込んだ「Cupsouls」、『スマブラ』キャラで『みんなのリズム天国』リミックス10を再現する「Super Smash Heaven」など、傑作は多い。とにかく作風が幅広いことも特徴。

64 Bitsは最近ではデメイク作品に熱を入れており、これでデメイクは7作品目となる。今作も過去作に劣らずこだわられた映像となっている。なお64 Bitsのチャンネル登録者数は約26万人。しかし動画からの収入は極めて低いそうで、フルタイムで活動するにあたって、Patreonによるユーザー支援に募っている。といっても、Patreonからの収入は月額2万円程度だ。グッズストアなども運営しているが、活動資金確保は大変そうである。

なお『エルデンリング』デメイクについてはこれまでにもさまざまに作られており、PS1風デメイクゲームボーイ風デメイクが存在。今回の64 Bitsによる作品を、それらの映像作品と見比べてみるのもいいだろう。