『Alice: Madness Returns(アリス マッドネス リターンズ)』がSteamからひっそりと削除されていたようだ。Eurogamerが伝えている。「不思議の国のアリス」を原作とした、カルト的人気を誇るゲームは、Steamで復活したのち、また姿を消したようだ。
『Alice: Madness Returns』は、EAが2011年に発売したアクション・アドベンチャーゲームだ。開発については、『Doom』シリーズなどの開発に携わったAmerican McGee氏が率いる、Spicy Horseが手がけていた。『アリス イン ナイトメア』の続編となる本作の主人公は、火事によって家族を失ったアリス。記憶をなくし精神を病んでいたが、徐々に回復しつつあった。しかし悪夢のような幻覚症状は一向におさまらない。記憶を取り戻して真相を確かめるべく、アリスは荒廃したワンダーランドへと向かう。
『Alice: Madness Returns』は、Steamで配信されていたのち、Origin移行などに伴いDRMの事情でSteamでの販売を停止。そして今年2月に配信が再開されていた。しかし6月16日にまたひっそりとゲームの販売が停止された。Steamストアページでは「パブリッシャーからのリクエストにより、Alice: Madness ReturnsのSteamでの販売は終了しました」と記載されている。
なぜこのタイミングで販売が突如止まったのか。パブリッシャーであるEAが関係しているのか。かなり謎が多いが、同作を手がけたAmerican McGee氏がとある説を提唱している。それは「開発元の別の削除対応に巻き込まれた説」である。開発元のSpicy Horseは2014年よりオリジナルゲーム『Akaneiro: Demon Hunters』を展開。しかし最近では、ハッキングなどの被害を受けサーバーが落ちている関係で、ログインできず遊べなくなっていた。同作をオープンソース化しようとする動きもあるという。
その過程で、Spicy Horse担当関係者が『Akaneiro: Demon Hunters』をSteamから削除しようとした結果、同じく開発元として登録されている『Alice: Madness Returns』を削除してしまったようであると、American McGee氏は提唱している。Spicy Horseが手がける他のゲーム『Grimm』なども削除されていることから、この説には信憑性がある。“もろとも”削除してしまったのかもしれない。
一見するとパブリッシャーであるEAが関係しているように見えるが、関係者発言を見るに、開発元のトラブルに起因していそうだ。American McGee氏は、『Alice: Madness Returns』の販売再開をめぐってValveの担当者に連絡しているそうだ。そう遠くない未来、ふたたびSteamでアリスの煉獄世界へと身を投じることができるようになるだろう。なお『Alice: Madness Returns』は定額サービスEA Playに加入することでもプレイ可能である。