Bethesda新作『Starfield』の「探索可能な惑星が1000以上ある」ことをめぐって議論勃発。期待要素か不安要素か


Bethesda Softworksは6月13日、イベント「Xbox & Bethesda Games Showcase」にて現在開発中のRPG『Starfield』のゲームプレイ映像を公開。このなかで、本作には1000以上の惑星が存在することを公表した。この膨大な数字がアピールされたことについて、海外ゲーマーのあいだで議論が交わされているようだ。海外メディアGamesRadar+が報じている。

『Starfield』は、『The Elder Scrolls』シリーズや『Fallout』シリーズを手がけてきたBethesda Game Studiosが開発する新作RPGだ。人類が太陽系外に進出している2330年の世界を舞台に、プレイヤーは希少なアーティファクトを求める探検家集団「コンステレーション」に加わり、広大な宇宙の星々を冒険する。

今回、ゲームディレクターを務めるTodd Howard氏の解説とともに、本作のゲームプレイ映像が初めて公開された。このなかでHoward氏は、本作の壮大さを示すデータとして、ゲーム内には100以上の星系に1000以上の惑星が存在することを明かした。生命が存在したり、資源が豊富だったりなどさまざまな惑星があり、プレイヤーはすべての惑星について、好きな場所に着陸して探索することができるそうだ。


1000以上の惑星というのはインパクトのある数字だ。『Starfield』のコミュニティ内でも大きな注目を集めたようで、Redditにこのトピックについて投稿された。そこに投じられたコメントを見てみると、予想していた数をはるかに超えていたとして期待や驚きを語る人や、ゲームのダウンロード容量が10テラバイトになるのではとジョークを飛ばす人、各惑星にイースターエッグが仕込まれるのではないかと予想する人など、さまざまな反応がみられる。

そうしたコメントのなかには、1000以上という数字を冷静に受け止める人や、歓迎しないとまで述べる人も多くみられる。というのも、この膨大な数を実現するために、プロシージャル(自動生成)技術が用いられるのではと考えられているためだ。すなわち、手作業で制作される惑星はごく一部であり、大部分の惑星にはストーリーやクエストなどのコンテンツは存在しないだろうという意見である。

ほかにも、そうした“退屈な惑星”は訪れるだけ時間の無駄であるとか、手作業で綿密に構築された惑星が6つもあれば十分だというコメントなどがみられる。また、Hello Gamesの『No Man’s Sky』に言及する人も複数いる。同作では、理論上1800京もの惑星が生成される広大な宇宙がアピールされた。しかし発売当時は、それぞれの惑星の個性もイベントもなく「ただ多い」だけ。コンテンツの乏しさが発売直後の不評の要因のひとつとなった。『Starfield』も同じ道を辿るのではないかと不安視する意見である。


本作の惑星が自動生成によって制作されているのかどうかは、現時点では開発元より明らかにされていない。ただ、前出のTodd Howard氏はかつて、同技術の活用を推し進めていく考えを述べていた。それは『Starfield』の開発のことを指していたのかどうかは分からないが、1000以上もの惑星という物量からすると、自動生成を取り入れている可能性が高そうだ。

一方でRedditでは、何もない惑星がたくさんあったとしても問題ないとする意見もみられる。Redditユーザーのsteamin661氏は、ヨセミテ国立公園に広がる自然を前に「空っぽだ」と感じたり、火星の写真を見て「こんな退屈なところをなぜ探索するんだ」などと言ったりはしないだろうとコメント。人間が進出していない惑星が数多く存在することの方が自然であり、本作においては、そうした惑星が冒険したくなる仕上がりになるのかどうかに興味があるとした。

また別の見方として、1000以上の惑星がMod開発者のサンドボックスになると考えれば、大きなポテンシャルがあると期待を述べる人もいる。『The Elder Scrolls V: Skyrim』など、Bethesda Game Studiosの過去作に向けては数多くのModが制作されてきた。『Starfield』にも、多くのMod開発者が注目していることだろう。


もっとも、仮に本作の惑星の制作に自動生成が使われていたとして、退屈な惑星ばかりが量産され収録されるのかどうかは、まだ何ともいえない。今回こうして注目を集めたことで、1000以上ある惑星では具体的に何ができるのか、今後の続報のなかで語られるものと期待したい。

『Starfield』は、PC/Xbox Series X|S向けに2023年前半に発売予定だ。