デベロッパーのGSC Game Worldは6月14日、現在開発中のサバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』の発売時期を、2023年へと延期することを明らかにした。これまでは、今年12月にリリースするとしていた。海外メディアPC Gamerが報じている。
本作は、原発事故が発生したチェルノブイリ(チョルノービリ)を舞台にするサバイバル・ホラーFPS『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの最新作。本作の世界では、2006年に2回目の爆発事故が起こり、ゾーンと呼ばれるエリアが出現。凶暴なミュータントや恐ろしいアノーマリーなどが存在する一方で、計り知れない価値をもつアーティファクトが秘められているとされ、ストーカーと呼ばれる者たちはリスクを承知でゾーンに足を踏み入れる。
本作については今年4月の発売が一度決定したものの、その後12月8日へと延期。そして今回、2023年へと再延期する格好となった。これは、先日開催されたイベント「Xbox & Bethesda Games Showcase」のなかで明らかになった。マイクロソフトは、Xbox/PC向けに2022年内および2023年に発売予定のゲームラインナップを公開(上の画像)。そこに『S.T.A.L.K.E.R. 2』も掲載されており、2023年のタイトルとしてリストアップされていたのだ。
この時点では、開発元GSC Game Worldからは再延期の発表はおこなわれていなかったものの、海外メディアPC Gamerの問い合わせに対して事実であると認めた。同スタジオとして公式に発表する予定をしていたそうだが、結果的にイベントにて先に判明することになった。
前回の発売延期の際には、本作に向けて掲げたビジョンを達成し、またファンの期待に応えるために、全体を通してのテストや磨き上げ作業など、必要な作業を納得できるまでおこなうと説明された。GSC Game Worldにとって、過去最大のプロジェクトであることも影響したそうだ。一方、今回の延期の理由については現時点では語られていない。
もっとも、同スタジオは今年3月に、本作の開発を一時中断する考えを示していた。GSC Game Worldは、ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナに拠点を置いている。スタッフおよびその家族の生存のための努力を続けている状況にあり、本作の開発を後回しにせざるを得ないとのことだった(関連記事)。この影響により開発に遅れが出ている、あるいは開発をまだ再開できていないことで、今回の再延期に繋がったものと推測される。
なお、チェコ共和国在住のジャーナリストPavel Dobrovsky氏は今年3月、GSC Game Worldはゲーム開発を続けるためにチェコに移転すると報告していた(Wccftech)。事実かどうかは現時点では不明。まずは、スタジオからの正式な発売延期発表を待ちたい。
『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』は、PC/Xbox Series X|S向けに2023年に発売予定だ。Xbox Game Pass向けにも提供される。
【UPDATE 2022/06/15 13:09】
GSC Game Worldは6月15日、『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chornobyl』の発売時期を2023年へと延期したことを正式に発表した。これに合わせて、本作の導入部分を紹介する最新トレイラーを公開している。
発表のなかで同スタジオは、先日報道されていたチェコ共和国でのスタジオ設立についても認めている。現時点では、ウクライナ・キエフ(キーウ)にて本作の開発を続けているものの、今後開発の大部分はチェコの新スタジオでおこなうことになるという。
また、一部のスタッフは、ロシアによる軍事侵攻から国を守るための活動に従事していることも明らかにした。新たに公開された以下の映像では、ウクライナ国内でゲーム開発を続けることの難しさを語り、人道支援活動に参加しているスタッフや、兵士として武器を手にすることを選択したスタッフの声が紹介されている。なおこの映像は、『S.T.A.L.K.E.R. 2』の最新トレイラーと合わせて、マイクロソフトのイベント「Xbox Games Showcase: Extended 2022」の最後にて放映された。