とある個人開発者、「Nintendo Switch版の売り上げに大きく助けられた」と報告。後発展開ながら

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インディーゲーム開発者の樹ひかり氏は、自身が手がけたゲーム『マジックポーション・ミリオネア』のNintendo Switch版が「びっくりするくらい売れた」と報告した。詳細な話を聞いていくと、樹氏の最新作はNintendo Switchと任天堂に結構助けられたようである。


『マジックポーション・ミリオネア』は、ローグライク要素のある2Dアクションゲームだ。サイドビューのアクションゲームとなっており、プレイヤーはダンジョンで素材を集め、薬を作って売ることとなる。ダンジョンの地形はランダムで構成され、さまざまな敵が待ち受ける。近接攻撃や多種多様なショット、そして魔法薬を駆使して攻略。いかにうまくお金を稼いでいくかが、問われる。

樹ひかり氏は、これまでに『マジックポーション・エクスプローラー』や『マジックポーション・デストロイヤー』といった、キュートなドット絵と個性あるシステムを組み合わせたゲームを手掛けてきた。本作もまたその例にもれずユニークな内容。そして今作は、「マジックポーション」シリーズとして初のNintendo Switch版もリリースされた。Steam版が2020年12月に発売され、Nintendo Switch版が2021年11月とやや空いたが、Nintendo Switchでの売上は非常によかったようだ。


まずはSteam版の売上について聞いたところ、「時々バイトしながらならゲーム制作を続けられる程度の売上」だったとのこと。一方でNintendo Switch版の売上は、Steamと比べると初動で10倍ほど差があったとのこと。またリリース後1か月で、開発元の過去3年分の総売上に匹敵する売上が出たという。また、発売後の売り上げは下火にならず、長期的にぼちぼち売れているそうだ。

また、Nintendo Switch版の売上が良いことで、当分は安心して次回作の制作に集中できるようになったとのこと。樹氏はマルチタスクが苦手であるそうだ。開発だけに集中できない日は作業もなかなか進まなかったという。開発に専念できるようになったことで、次回作を比較的早めに作り上げられるかもしれない、ともコメントしている。

※ なお、『マジックポーション・ミリオネア』Nintendo Switch版発売後に、樹氏が飼っていた文鳥ぷーが亡くなった。ゲーム内の敵ぶんちょのモデルになった鳥で、ゲーム開発者として活動するなかで共に時間をすごしたという。体調が悪くなってからも頑張り、Nintendo Switch版リリース後すぐに亡くなったことから、頑張って作品の行く末を見届けてくれていたのかもしれない、と思っているとのこと


なおNintendo Switch版の売り上げ以外についても、樹氏は任天堂に感謝しているという。同氏はゲームイベントで出展している際に、任天堂のスタッフに声をかけられたという。その際に任天堂が個人開発者との関わりを模索していると感じ、思い切ってNintendo Switchリリースにむけて問い合わせしたという。パブリッシャーもない状態でのリリース問い合わせであったが、審査などはあったものの、個人相手にも親切丁寧にコミュニケーションしてもらい、発売までサポートしてもらったそうだ。そうした点に、任天堂の懐の深さを感じたようである。

なお、同作はSteam以外でもDLsiteやBOOTHといったプラットフォームでも販売されているが、やはりSteamが強かったそうだ。一方で樹氏は、それぞれの会社にお世話になっているとして各販売プラットフォームについて感謝を述べている。


Nintendo Switch版が成功した要因について聞いてみたところ、まず自分でプレスリリースを出し、メディアに取り上げられたという点をあげている。業者への頼み方がわからないこともあり、自分でしっかりと勉強して、これまでとは違うやり方でプレスリリースを作成。しっかりとしたリリースを送ったことで、これまで掲載されたことのない大手メディアなどに取り上げられたことは大きかったと振り返っている。
【UPDATE 2022/6/7 10:40】
プレスリリースについての表現を変更

またNintendo Switchと本作の相性の良さについても言及している。解像度の低いドット絵のゲームなのでNintendo Switchとの相性は良いのではないかと開発時から感じていたそうで、画面解像度をNintendo Switchで使われている[1280×720, 1920×1080]の整数倍[320×180]に調整。これが個人的には大正解だったと振り返っている。


いずれにせよ、樹氏はNintendo Switch版の売り上げと任天堂の対応にはとても感謝しているようである。ニンテンドーeショップにてリリースされるタイトルは、数を増すばかり。ライバルは非常に多い。しかしそのパイは依然として大きく、個人開発のゲームであっても、チャンスがあることが改めて証明されたかたち。後発マルチプラットフォーム展開ながら、Steamを大きく上回ったというのも興味深い。

樹氏は次回作としてアクションゲーム『マジックポーション・リベレーターズ』を開発中。対応プラットフォームはまだ一部検討中であるものの、SteamとNintendo Switchを外すつもりはないとのこと。同氏のスタジオTwitterアカウントをフォローして、次回作の発売を待つといいだろう。


『マジックポーション・ミリオネア』はPC(Steam/DLsite/BOOTH/itch.io)/Nintendo Switchにて発売中。『マジックポーション・リベレーターズ』はSteamおよびNintendo Switch展開を視野に現在開発中だ。



※ The English version of this article is available here

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