『あつまれ どうぶつの森』の「2061年問題」が海外で注目集める。国内でも研究されてきた、『あつ森』の時空限界
『あつまれ どうぶつの森』において、ある禁忌が注目を集めているようだ。同作においては、いわゆる“時間旅行”ができることが知られている。Nintendo Switch本体の時刻設定を変更することで、ゲーム内の日付や時間帯を調整することが可能。たとえば現実世界では6月にいながらにして、Nintendo Switchの日付設定を12月にすることでクリスマスの景色を見ることができるようになるのだ。ポピュラーな手段でありつつ、スローライフを特色とする本作では、ユーザーの見解が分かれる背景もある。
こうしたなか、海外掲示板Redditにてあるプレイヤーが時間旅行にまつわる小ネタを発見した。『あつまれ どうぶつの森』で「2061年」以降にプレイしようとすると、ゲームから警告メッセージが表示。時間を2020年1月1日から2060年12月31日に設定するように通知され、ゲームが遊べなくなるというのだ。この発見は5月30日にRedditで投稿され、8000件弱のUpvoteを獲得している。
海外では今回のReddit投稿により注目を集めることとなった、『あつまれ どうぶつの森』の「2061年問題」。しかし国内では、早い時期から同問題に対する研究が進められてきていた。そもそも『あつまれ どうぶつの森』で2061年が問題とされるようになったきっかけは、Nintendo Switch本体設定における手動時刻設定で、年を2060年までしか設定できないことに由来する。そこで、Nintendo Switchの本体設定上に存在しない2061年を『あつまれ どうぶつの森』で迎えたらどうなるかという検証がおこなわれてきたわけだ。
初期の例としては、2020年3月にYouTube投稿者の凶運王シーマ氏が、2060年12月31日の年越しイベントを検証。結論として、ゲーム内では問題なく2061年1月1日を迎えられることが判明した。このとき、Nintendo Switch本体の時刻設定も2061年1月1日を表示している。同様の検証はYouTuberのTatu#氏によっても実施され、注目を集めた。
しかし、問題なく2061年1月1日を迎えられるということは、先述したReddit投稿で見られた警告メッセージはどこで見られるのだろうか。ここでもう一歩踏み込んだ検証をおこなったのが、YouTubeチャンネルのレウンGameTVだ。同チャンネルは、従来の検証通り、Nintendo Switch本体の日付設定を2060年12月31日まで進めることで、2061年1月1日を迎えている。これまでの検証と異なる点は、さらに「1月2日」まで観測を続けた点である。
『あつまれ どうぶつの森』で2061年1月2日を迎えるのは、実はやや手間がかかる。というのも、年越しを迎えた直後は、先述したとおりNintendo Switchの本体時刻も2061年1月1日を迎えている。しかし、そこでさらに日付を進めるために手動時刻設定を開くと、年が強制的に2060年に戻されてしまうのだ。そのため、2061年1月2日を迎えるためには、2061年1月1日になったのち、24時間Nintendo Switchを放置して自然に翌日を迎えるのを待つ必要があるのだ。
そこでレウンGameTVは5月23日の投稿動画にて、『あつまれ どうぶつの森』における1月2日の観測を敢行。Nintendo Switchを放置し、本体時刻が1月2日になったことを確認して、『あつまれ どうぶつの森』を起動しようとした。すると、警告メッセージが表示。「対応外の日付が 設定されています」として、日付の設定を2020年1月1日から2060年12月31日に設定するように勧告されている。Redditにて発見されていた警告メッセージと同様のメッセージが表示されたわけだ。同チャンネルは、『あつまれ どうぶつの森』は2061年1月1日までプレイが可能なものの、2061年1月2日以降に進むことはできないと結論づけている。
*該当シーンは3分18秒ごろより
ちなみに、ゲーム内時間の限界については、従来のシリーズでも確認されてきた。『どうぶつの森』~『どうぶつの森 e+』のゲーム内における“もっとも未来”の日付は2030年で、同年の年越しを迎えると2030年1月1日に逆戻り。『おいでよ どうぶつの森』は2099年、『街へいこうよ どうぶつの森』は2035年で、双方とも年越しを迎えると2000年1月1日へ逆戻り。『とびだせ どうぶつの森』は2050年で、年越しを迎えると2012年(同作発売年)へ逆戻りする仕様となっていたようだ。大半のシリーズ作がタイムループ方式をとるなかで、『あつまれ どうぶつの森』はエラーメッセージによりプレイができなくなるという珍しい例といえそうだ。
無限に遊びこめるゲームではあるものの、『あつまれ どうぶつの森』の世界にもやがて終わりはやってくる。どうか2061年までに『どうぶつの森』の新作が発売されることを願うばかりだ。