ディズニーキャラクター・グーフィーの英語版の声を務めるBill Farmer氏は、MomoCon 2022にて海外メディアGameLusterのインタビューに回答。その中で、『キングダム ハーツIV』の存在はイベント会場での発表で、ユーザーと同じタイミングで知ったことを明らかにした。グーフィー英語声優も、新作が動いていることを知らないほど、国内に注力した発表だったようだ。The Gamerが報じている。
『キングダム ハーツIV』は、『キングダム ハーツ』シリーズ最新作だ。主人公となるのは、ソラ。ソラは現代の東京に似た、「クァッドラトゥム」なる世界で目を覚ます。ソラは元の世界へと戻ろうとするようだ。ゲームはUnreal Engine 5を用いて開発されている。また『キングダム ハーツIII』までで描かれたダークシーカー篇は幕を閉じ、新作ではロストマスター篇が展開されるという。
発表映像では、最後の場面でドナルドとグーフィーが登場。冥界でソラを探しているようで、たいまつを使って暗がりを探索している。ハデスらしき人物に呼び止められ悲鳴をあげるシーンも。少ないながら、ドナルドとグーフィーともにセリフが用意されているわけだ。しかしこのセリフは、なんと海外向けトレイラーでも英語吹き替えされていない。それゆえに、Bill Farmer氏は、グーフィーの声優ながら、『キングダム ハーツIV』の存在を知らなかったようだ。お披露目のイベントで、ユーザーと同じタイミングでその存在を知ったという。
そもそも『キングダム ハーツIV』の発表形式は、その大型タイトルにしてはかなり特殊だった。最近では、大型ゲームはThe Game AwardsやNintendo Direct、State of Play、もしくはXbox系のライブ配信や自社のライブ配信など、同時接続視聴者数が多いイベントでのお披露目が一般的になりつつある。大きなイベントで、より多くの人に見てもらうというねらいだ。
一方で、『キングダム ハーツIV』は「KINGDOM HEARTS 20th ANNIVERSARY」にてお披露目された。同イベントは、シリーズ20周年を祝うもので、渋谷ヒカリエにて抽選で当たった人だけが入れる、完全にクローズドなイベントだ。日本限定かつ特定の人にのみ公開するという、極めて閉じたお披露目である。のちに国内外向けにトレイラーが公開されたものの、『キングダム ハーツIV』単体でのトレイラーは公開されず、ほかのスマートフォンゲームの映像とのセットになっていたり、前述したように海外向けトレイラーも英語字幕のみでグーフィー含むキャラの吹き替えがなかったり、かなり特殊なお披露目となっている。
『キングダム ハーツ』は世界的に人気のIPであるが、それでもここまで日本に注力しているということは、日本でさらに人気を固めたいのだろう。既存ファンをとにかく大切にする野村哲也氏らしいアプローチである。声優から新作ゲーム情報が流出するといったケースもあるだけに、必要のない情報ならば渡さないという判断も妥当かもしれない。とはいえ、『キングダム ハーツIV』の発表が特に国内の方を向いていたということが、改めてわかる興味深い例である。
とはいえ、今後はグローバルにむけた情報展開もしていくことだろう。続報までまだ時間がかかるようだが、『キングダム ハーツIV』がどのような作品になるのか、世界中のファンが注目しているに違いない。