デベロッパーのRebellionが5月26日に発売したTPS『Sniper Elite 5』のPC版について、予定されていたはずのEpic Gamesストアでのリリースがおこなわれず、ファンを困惑させているようだ。予約購入者には返金対応が実施されているという。
本作は、狙撃手の活躍を描くTPS『Sniper Elite』シリーズの最新作だ。第二次世界大戦時のフランスを舞台に、主人公の狙撃兵カール・フェアバーンは、ナチスの極秘作戦を阻止すべく戦う。
『Sniper Elite 5』は、PCおよびPS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに発売。PC版はSteam/Microsoft Storeにて配信されている。ただ、上の画像でも確認できるように、もともとはEpic Gamesストアでも配信予定だった。同ストアに本作のページは存在するものの、発売日になってもリリースされず。予約購入者に対しては、配信日未定へと延期したとし、返金対応するとの案内が送付されているという(Reddit)。
Epic Gamesストアでの配信延期について、開発・販売元のRebellionは特に公表していない。そうしたなか5月27日になって、海外メディアVGCを通じて声明を発表した。それによると、同スタジオの管理が及ばないところでの事情(circumstances beyond our control)により、Epic Gamesストアでリリースできなかったのだという。具体的な理由については明かされなかった。また、将来的に同ストアで本作をリリースする考えも述べているが、具体的な時期については触れなかった。
本作のこれまでの動きを遡って見てみると、5月4日に公開されたトレイラーにはEpic Gamesストアのロゴが存在したが、5月19日公開のもの以降からは消えている。それらのトレイラーについて案内するプレスリリースでのプラットフォーム表記も同様だ。しかし理由などの説明はなかった。
どうやら5月上旬から中旬のあいだに、何らかの“事情”が発生したようだ。PC版を含め、本作自体は完成している。Epic Gamesストアでのみ配信できないということは、同ストア側の技術的な問題、あるいはEpic Gamesとのビジネス上の問題が、発売直前になって浮上したのかもしれない。いずれにせよ真相は不明である。
Epic Gamesストア以外では予定どおり発売された『Sniper Elite 5』。本作では、新たなアクションの導入や武器カスタマイズ要素の拡充、またフォトグラメトリ技術を活用したビジュアルなどが特徴。さらに、シリーズの代名詞ともいえるX線キルカメラでは、これまで以上にリアルかつ残酷な描写を実現したという。
そんな本作の評価はというと、レビュー集積サイトMetacriticでのPC版のメタスコアは82とかなり高評価。各メディアレビューによると、革新性は控えめであるものの、評価の高かった前作『Sniper Elite 4』に上述した要素を加えた手堅さや、ミッション攻略の自由度の高さなどが好評だったようだ。
一方で、Steamでのユーザーレビューを見てみると、現時点で69%が好評とする「賛否両論」となっている。バグの多さや武器関連の使い勝手の悪い仕様などによって評価を下げているようだ。もっとも、Steam版の同時接続プレイヤー数は、ピーク時には1万2000人を突破(SteamDB)。一定数のユーザーベースを獲得している。
『Sniper Elite 5』は、PC(Steam/Microsoft Store)/PS4/PS5/Xbox One/Xbox Series X|S向けに販売中。Xbox/PC Game Pass向けにも提供されている。また本作は、PS4/PS5向け日本語パッケージ版が6月16日に発売予定となっている。