大々的に発表された新作ゲーム『Project Shaz』、会社が“トレパク”疑惑について報告とお詫び。ソックリなキャラクターイラストの事情

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株式会社TVTは5月25日、『Project Shaz』のキャラクターデザインについての状況を発表した。同作のキャラクターイラストについては、株式会社TVTが権利をもたない画像と構図が一致しているとの指摘が挙がっていた。 
 

 
株式会社TVTは、『GOD EATER』シリーズや『フリーダムウォーズ』に携わったクリエイター・保井俊之氏が代表取締役を務める株式会社。2019年に創業し、2022年5月から本格始動することを5月24日に発表していた。同社についてはオリジナルエンジン開発および、2本のプロジェクトが進行中であることが明らかになっている。そのプロジェクトのうちの1本が『Project Shaz』であった。 

『Project Shaz』は、『GOD EATER』の開発にも参加したスタッフによるマルチプレイアクションゲーム。プロデューサーとして保井氏、シナリオとして『メタルギアソリッド』『フリーダムウォーズ』に携わった福島智和氏が参加。ディレクターは『.hack//G.U.』『ジョジョの奇妙な冒険 オールスターバトル』の中舎健永氏が担当し、アートディレクターは『ロード オブ ヴァーミリオン』『Fate/Grand Order』に関わった輪くすさが氏が務めている。 
 

 
大々的に発表された『Project Shaz』であったが、発表直後よりある指摘が挙がっていた。公開されたキャラクターデザイン資料について、既存の画像のトレースではないかとの疑惑が挙がっていたのだ。まず左から2番目の少女Yoko Kirishimaについては、下記の画像との類似性が指摘されている。こちらはゴシックロリータ服通販サイトGlitzy Wonderlandにて販売されている、「Nighthawk Military Lolita Style Outfit (BJ02)」のページにて掲載されているモデル着用写真だ。服の構造や脚の組み方といったポーズに共通点が見出せる。
  

Image Credit: Glitzy Wonderland

 
続いて左から3番目のキャラクターSkullについて。こちらに関しては、イラストレーターesuthio氏の作品「lancer」とシルエットなどの類似性が指摘されている。左から4番目の女性Mireia Carderoについては、イラストレーターJINYOUNG SON氏の作品「The gunner in uniform」との関連性が指摘。そして左から5番目の少女Jackalについてはイラストレーターの药锅锅氏のイラストが参照元と指摘されており、本人も不快感を露わにしている。 
 

 
こういった一連の指摘に対し、株式会社TVTは状況について説明した。本件に関して同社は、担当のイラストレーターに実際にどういった作業がおこなわれたのかを確認したという。今回のケースについては、内部資料として企画者とデザインの方向性を探るため、参考にした画像から切り貼りしてリタッチするフォトバッシュという手法を使ってイメージラフの制作がおこなわれたそうだ。 

フォトバッシュは、コンセプトアートやイメージボードなどを作成する際に用いられる一般的な手法だ。そして、その過程でポージングを含めボディーラインをそのまま使用してしまった経緯があると伝えられている。つまり、内部資料として仮で使用されていた、権利がクリアになっていない画像が公開されてしまったために、今回の問題に至ったわけだ。 

株式会社TVTは、情報公開をおこなう際に、制作手段について担当イラストレーターに確認を取らず公開可能なデザインであると誤解してしまった結果、内部資料用のデザインを情報として公開するに至ったと説明。制作および情報の確認フローが甘く問題があったことはすべて保井氏の責任であるとして、謝罪している。 

発表から間もなく、思わぬトラブルに直面することになった『Project Shaz』。今後開発を進めていくなかで、ユーザーの信頼を取り戻すことができるのか、動向が注目される。 



※ The English version of this article is available here

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