オープンワールド ドット絵RPG『Code Name: Wandering Sword』発表。グラフィックと既視感どちらもすごい
中国のデベロッパーXiameng Studioは5月24日、『Code Name: Wandering Sword(代号:问剑)』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。Steamストアページも公開されている。
『Code Name: Wandering Sword』は、オープンワールドRPGだ。プレイヤーはオープンで広大なフィールドを冒険。森や洞窟や城塞などをめぐり、街を訪れ新たな人々と出会っていく。出会うNPCたちとは交流を深めることが可能。プレゼントをしたり話したりすることで親睦を深め、旅のお供にできる。NPCたちはそれぞれ異なる背景や特性をもっているとのこと。
戦闘はタクティカルな形式で展開。移動による位置取りも重要になるようだ。ターン制でのバトルのほか、リアルタイムの戦闘も可能とのこと。本作ではさまざまな宗派の武技が存在するという。それぞれのキャラを自由に育て、幅広い武器を使いながら武技を習得していくのだ。
本作はビジュアル・システムともにかなり意欲的な作品に見える。しかしながら、ゲーマーなら本作に既視感を覚えるだろう。つまるところ、『オクトパストラベラー』にそっくりなのである。まず本作のビジュアルを見てみよう。ピクセルアートのオブジェクトと、3Dフィールドを組み合わせた表現。立体的な光源処理や被写界深度を用いた演出など、非常に似ている。ピクセルアートがひとつひとつ粗めなのも、似ている。もっといえばコンセプトアートも似ている。システム面も、「街にいるNPCに干渉する」「それぞれのキャラに特性があり、特性によって干渉の仕方が変わる」「仲間にできる」など、『オクトパストラベラー』との共通点が見られる。
面白いのは、『Code Name: Wandering Sword』開発元Xiameng Studioがこのビジュアル表現について、それとなく“自社オリジナル”っぽく説明している点である。開発元は、本作はUnreal Engine 4を用いて、ピクセルアートと3D環境を組み合わせてドット絵と3D表現の“新たな融合”を実現していると説明。MS-DOS時代のドット絵武侠ゲームを彷彿とさせつつ、現代的なビジュアルエフェクトを織り交ぜて、良いゲーム体験をもたらしていると語った。
一方でドット絵と3D表現を組み合わせたグラフィックは、「HD-2D」としてスクウェア・エニックスが近年積極的に用いている。とくに同社の浅野智也氏が率いる「浅野チーム」がこの表現を得意としており、『オクトパストラベラー』だけでなく『トライアングルストラテジー』、そして夏に発売される『ライブアライブ』リメイク、『HD-2D版 ドラゴンクエスト3』にも用いられている。そしてこれらも、Unreal Engine 4を用いて表現されている。
スクウェア・エニックス作品におけるHD-2D表現が人気を博してか、ドット絵と3Dフィールドを組み合わせる作品は最近増え始めている。とはいえ、『Code Name: Wandering Sword』ほど直球にコピーした作品はないだろう。HD-2D表現から影響を受けているように見える一方で、開発元が「武侠スタイルのピクセルRPG」を名乗り、本作オリジナルのスタイルかのように主張するのは、なかなかシュールである。
中国の一部開発スタジオは、既存の人気ジャンルをコピーするのに長けている。「HD-2DのRPG」というジャンルにおいても、同国発のフォロワーゲームが増えそうだ。『Code Name: Wandering Sword(代号:问剑)』は、PC(Steam)向けに発売予定だ。
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