段ボール世界暗黒ADV『Phonopolis』発表。青年はたったひとりで独裁者に立ち向かう、Amanita Design最新作

Amanita Designは5月18日、アドベンチャーゲーム『Phonopolis』を発表した。『Phonopolis』は、情報操作や個人主義といった、現実世界にも繋がる社会的なテーマを扱うアドベンチャーゲームだ。

デベロッパーのAmanita Designは5月18日、アドベンチャーゲーム『Phonopolis』を発表した。マルチプラットフォーム向けに開発中で、PC(Steam)版については確定済み。配信時期は未定だ。

『Phonopolis』は、情報操作や個人主義といった、現実世界にも繋がる社会的なテーマを扱うアドベンチャーゲームだ。主人公は、Felixという名の青年。本作の世界の市民たちは、権威主義の独裁者による統治によって人間性を失ってしまうという、差し迫った脅威に晒されている。思慮深い性格のFelixは、市民のなかでその脅威を感じ取っている唯一の人物だという。

その独裁者は、完璧に幸せな社会を構築しようと試みている。もともとは善意的な考えがあったのかもしれない。しかし実際におこなったのは、そうした理想へと市民を駆り立てるよう仕向ける、“サブリミナル効果を使った指令を発する巨大スピーカー”の開発だった。人々が考えることやめ、人為的に作られた社会の歯車となっていくなか、Felixは独裁者の所業を止めるべく行動を起こす。


本作のゲームプレイについてはまだ多くは明かされていないが、先述したような重いテーマを扱いながらも、楽しく愉快なゲーム体験となるよう開発中とのこと。プレイヤーはFelixを操作して街を進み、多彩に用意されたパズルに挑む。スクリーンショットでは、巨大スピーカーシステムの内部に彼が入り込んでいる場面があり、横にはレコード風の操作盤らしきものが確認できる。また別の場面では、タワーのような設備が存在する施設内に潜入。食事を製造しているようであるが、このタワーもまたパズルになっているのかもしれない。

本作の開発元Amanita Designは、『マシナリウム』や『サモロスト』『ボタニキュラ』などの人気作を手がけてきたスタジオだ。作品ごとに異なる個性的な作風で知られ、『Phonopolis』では同スタジオとして初めて3Dグラフィックを採用。ユニークなビジュアルは、本物の段ボールを使って表現しているそうだ。また、過去作では一貫して意味の分からない架空の言語が使用されてきたが、本作ではナレーターによって物語を伝える手法を導入するとのこと。同スタジオにとって、さまざまな面で新たな挑戦となる作品になるようだ。


『Phonopolis』は、PC(Steam)などマルチプラットフォーム向けににて開発中。PC版以外の具体的な機種は未発表である。そして配信時期も未定。開発元Amanita Designは、2023年中にリリースされることはないだろうとしており、発売されるのは少し先になりそうだ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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