UE5による美麗すぎる「液体表現」が話題のインディーサバイバルゲーム『Derelicts』。極上の流体シミュレーション
Unreal Engine 5で作られた「液体」にまつわる表現が、注目を集めているようだ。デベロッパーのRomain氏は5月11日、自身のゲームの動画を海外掲示板Redditに投稿した。波の打ち寄せる海岸を映し出したその動画は、あまりにリアルな海水の表現で話題を呼んでいる。
Romain氏が開発しているのは、サバイバルゲーム『Derelicts』。対応プラットフォームはPC(Steam)で、Steamストアページによれば日本語表示に対応する。舞台となるのは、人類のいなくなった地球だ。防衛メカニズムによって地球上には放射線の波が引き起こされており、特権階級の人々は宇宙へ逃げ延びて宇宙ステーションで暮らしている。そうしたなか、プレイヤーはスペースシャトルで地球に墜落。未知なる土地で、ゼロからサバイバル生活を開始することとなる。
まずは資源を見つけて拠点を建設。木を伐り、鋼鉄を見つけ、ミュータント化した動物から身を守るのだ。さらに、電力を確保するため、水車や風力タービン、ソーラーパネルを建設することもできる。また木製の水路を作ることで木材を輸送するなど、自動化要素も存在するようだ。探索することでレシピを発見し、新たな道具や建築パーツを作り出すこともできる。一方、雷雨やブリザードなど、自然の脅威にも対抗する必要があるそうだ。なお、犬を仲間にしてサバイバルを手助けしてもらうこともできるという。
そして本作の注目ポイントが、Unreal Engine 5で実装された環境表現だ。今回投稿された海辺の動画では、最新エンジンならではの液体表現を確認できる。塊となった海水が波として砂浜に押し寄せ、岩にぶつかると砕けて白いしぶきを上げる。奥ではボートが波に揺られ、今にもひっくり返ってしまいそうだ。実写だといわれれば信じてしまいそうなほど写実的な流体シミュレーションで、海岸の景色が表現されているのである。
『Derelicts』における液体表現を実現したのは、開発者のKrystian Komisarek氏。ポーランドのスタジオFlying Wild Hogにプログラマーとして所属し、物理表現とグラフィックプログラミングが専門分野のようだ。Komisarek氏は2019年より、Unreal Engine 4にて表現した液体表現の習作を多数Twitterにて公開してきていた。今回『Derelicts』にて披露された圧倒的な液体表現は、長年の研究のうえ、最新エンジンUnreal Engine 5の力を獲得したことで実現した一つの完成形といえるだろう。
なおKomisarek氏による流体表現は、アセット「Fluid Flux」としてマーケットプレイスでも販売されている。ストアページ中程の[Demo]リンクからダウンロードすれば、リアルな液体のなかで自由に動き回るデモを体験することが可能だ。湧き出した水が岩に跳ね返る様子や、さまざまな物体が水の上を流されていく様子などを、好きなだけ観察することができる。
『Derelicts』はSteamにてPC向けに発売予定だ。