マイクロソフトは5月6日、Epic Gamesと提携し、『フォートナイト』をクラウドゲームサービスXbox Cloud Gaming向けに提供開始した。iPhoneやiPad、またAndroidデバイスやPCにて基本プレイ無料にて利用可能となっている。
Xbox Cloud Gamingは、マイクロソフトが提供するクラウドゲームサービスだ。Xbox Series Xベースのカスタムサーバーにてゲームを実行し、ユーザーのスマホなどのデバイスとの間で、操作入力とゲーム映像をやり取りすることでゲームをプレイできる。デバイス側にはゲームをインストールする必要はなく、通信環境が整ってさえいればどこでもプレイ可能だ。
今回提供開始された『フォートナイト』は、同サービスにとって初めての基本プレイ無料タイトルとなる。そして文字どおり無料でプレイを始められるように、新たな仕組みが導入された。
Xbox Cloud Gamingは、サブスクリプションサービスXbox Game PassのUltimateプランの加入者向けに提供されているが、『フォートナイト』のプレイに関してはXbox Game Pass Ultimateへの加入は不要。Webブラウザで「xbox.com/ja-JP/play」にアクセスし、自身のMicrosoftアカウントにログイン・あるいは新規作成するだけでプレイできる。『フォートナイト』はモバイル向けのタッチ操作に対応し、またBluetoothコントローラーなどもサポートされている。
『フォートナイト』は、現在App StoreおよびGoogle Playでは配信されていない。Epic Gamesが2020年8月に、独自の決済システムを本作に実装したことで、規約違反であるとして両プラットフォームから削除。その後AppleおよびGoogleとの係争が続いている。本作のAndroid版に関しては、ユーザーはEpic Gamesの公式サイトからダウンロードしインストールできるが、iOS版ではそうした手段はとれない。
Xbox Cloud Gamingを通じた本作の提供は、特にiOS版をプレイしたいユーザーにとって貴重な選択肢となるだろう。ほかにも、NVIDIAが提供し、日本ではソフトバンクとauが運営するクラウドゲームサービスGeForce NOWでも本作がプレイ可能。ただGeForce NOWの無料プランには一部制限がある。
この『フォートナイト』を皮切りに、マイクロソフトはXbox Cloud Gaming向けの基本プレイ無料タイトルの提供を拡大していく計画だとしている。先述したようにプレイを始める敷居はかなり低く、新たなユーザーを獲得するにあたって大きな役割を果たすことを期待しているのかもしれない。
今回マイクロソフトは、2020年に提供開始したXbox Cloud Gamingのこれまでの道のりを振り返る記事も公開している。同サービス向けには、これまでに125以上のデベロッパーから350タイトル以上が提供。同サービスを利用するXbox Game Pass加入者は、利用していない加入者と比べて、2倍多い本数のゲームを見つけプレイしているという。
また、提供タイトルのうち150タイトル以上がモバイル向けのタッチ操作に対応しており、対応することで平均2倍多くプレイされる傾向にあるそうだ。さらに、ユーザーの20%はタッチ操作でのみプレイしているとのこと。同社は、『Microsoft Flight Simulator』のような最新の重量級タイトルが、旧世代のXbox Oneを含むさまざまなデバイスでプレイ可能な点にも触れ、あらゆるプレイヤーや開発者にとって、クラウドゲーミングには明るい未来が待っていると締めくくっている。