ソニーおよび任天堂は、英国の競争・市場庁であるCompetition and Markets Authority(CMA)の調査を受け、オンラインサブスクリプションサービスに関連するガイドラインを更新することに同意した。この動きは、マイクロソフトが今年1月、複数のサブスクリプションサービスにおいて顧客への情報開示を変更した動きに追随するかたちである。GamesIndustry.bizが報じている。
現在、ソニーのサブスクリプションサービスとしてはPlayStation Plus、任天堂のサブスクリプションサービスとしてはNintendo Switch Onlineが存在する。その双方について、自動更新にまつわるシステムが見直されるようだ。
PlayStation Plusは、現状ではサービス購入時に選択した利用期間が終了する際に、事前の通知なく次の期間の利用に必要な金額がウォレットから自動的に引かれ、サービスの利用期間が更新される仕組みとなっている。つまり、サービスの継続の意思確認なく、自動更新がおこなわれているのだ。
ソニーはこの現状を踏まえ、Playstation Plusのサブスクリプション登録者に対し、新しい施策を実施することに同意。長期間サブスクリプションに登録しているが、サービスを利用していない顧客に対しては、サブスクリプションをキャンセルする方法をリマインドしていくという。また、ユーザーがサービスをキャンセルしなかったとしても、それ以降サービスを頻繁に利用していなかった場合、ソニーは利用料の引き落としを停止するとのこと。
くわえて、任天堂もサブスクリプションサービスに変化を加える。現在、Nintendo Switch Onlineに加入する場合、デフォルトで自動継続購入がオンとなっている。しかし変更後は、自動継続購入はデフォルトでオフとなる。もしユーザーが自動更新をオンにしたくなった場合は、サインインして設定をおこなう必要があるそうだ。つまり、自動継続したいユーザーが自発的に設定していく仕組みとなる。
一連の動きは、今年1月にマイクロソフトが見せた動きを追いかけるかたちとなっている。マイクロソフトは1月、CMAによる調査を受けて対応を発表。サブスクリプション登録者に対し「自動更新はオフにされるまで有効となっている」との仕組みの周知徹底や、更新にかかる費用、返金を受けるためのガイダンスなどを明確に知らせるといった施策を打ち出していた。
今回の合意に際し、CMAのエグゼクティブプロデューサーであるMichael Grenfell氏がコメント。調査の結果として、数多くの変更がおこなわれ、顧客を守り、サブスクリプションの自動購入にまつわる懸念に対処する助けになるだろうとしている。くわえて、今回の発表により、CMAのオンラインビデオゲーム部門における調査が締め括られたとも言及。自動更新つきのサブスクリプションサービスを取り扱うほかの部門の企業についても、消費者保護法にのっとることを意識して自社のサービスを評価するべきだと伝えている。