『オーバーウォッチ2』に導入予定のPingシステムが明らかに。ボイスチャットなしでも意思疎通ができる
Blizzard Entertainmentは3月24日、公式ブログを更新。『オーバーウォッチ2』にて導入予定となっている、Pingシステムについて詳細を明かしている。
『オーバーウォッチ2』は、Blizzard Entertainmentが現在開発中のオンライン対戦FPSゲーム。前作の6対6から5対5(1タンク、2ダメージ、2サポート構成)へとチーム人数を変更し、4人協力の常設PvEモードを盛り込むなど多くの変化が予定されている。多彩なアビリティをもったキャラクター同士の戦いが繰り広げられるマルチプレイゲームとして制作が進行中だ。
『オーバーウォッチ2』においては、かねてよりユーザーからの要望が多かったPingシステムが新たに搭載されるという。機能が実装される背景においては、『オーバーウォッチ』開発チームが重要視している「すべての声を大切に」という思想があるようだ。システムデザイナーのGavin Winter氏によれば、Ping機能の目的は、ボイスによるコミュニケーションを拡張すると同時に、それらを視覚的に伝える方法を生み出すことであるという。開発チームとしては、より多くの方へ配慮し、ボイスチャットを避けるプレイヤーに対してもコミュニケーション手段を与えるシステムを作ろうとしているとのこと。
具体的にどのようにPingシステムがコミュニケーションを助けるのかというと、たとえばボイスチャットの文脈をより分かりやすくすることが挙げられるようだ。Pingシステムにおいては、所定のボタンを押すことで、エイムしている対象に応じたPingを起動することが可能。たとえば自分がトレーサーをプレイしているときに、敵のリーパーに対してPingを打った場合は、トレーサーがリーパーの位置をチームメイトに伝えてくれるという。単純にボイスで「後ろにリーパーがいる」と伝えるよりも、アイコンなどを伴って、より正確に伝えることができるわけだ。
しかし、ときには敵が見えなくなってしまうこともある。上記の状況でリーパーが視界から外れてしまった場合は、Pingはリーパーが最後に目撃された位置に表示されるようだ。リーパーのアビリティであるシャドウ・ステップなどが発動した場合には、リーパーが消える前にいた場所にPingが打たれるわけである。
Pingはヒーローのアビリティによって変化するといい、ソンブラのトランズロケーターやドゥームフィストのメテオ・ストライク、モイラのフェード、トレーサーのリコールなど、移動やテレポート・透明化などをともなうアビリティが使われた際には、Pingが敵キャラクターから外れて最後の位置に残るようだ。こうした仕様は、『オーバーウォッチ』シリーズにおけるペースの速いゲームプレイに合わせて設計されているという。
Pingは、敵の位置を伝えるほかにもさまざまな用途が可能。Pingボタンを長押しすることでホイールが開き、より多くのメッセージを伝えることができる。どこを攻撃しているか、どこを防衛しているか、助けが必要かどうかなどを、チームメイトに伝えることができるそうだ。「集合」「回復が必要だ」などといったメッセージが用意されており、チームメイトの反応としても「同行する」と伝えたり、回復できるサポートヒーローがどこにいるかを伝えたりすることができるそうだ。
開発チームとしては、現在もテストで得られたデータをもとにシステムを改良中。『オーバーウォッチ』シリーズのゲームプレイや文化に合ったシステムを目指しているという。Winter氏は、同システムがゲーム内の有害性(toxity)を減らす助けになればいいと伝えている。また、もしPingを連打するプレイヤーが好きではない場合は、特定の人物のPingをオフにできる機能も用意されているそうだ。スパムに対する保護についても調整中であるとのこと。
『オーバーウォッチ 2』は4月下旬、PC向け第1回PvPベータテストを実施予定。Pingシステムも試すことができる。興味のある方は公式サイトから参加登録をしておこう。参加者は抽選で選ばれ、当選者に参加権が送付される。また、ベータテストは今後複数回に分けておこなうとのことである。