任天堂が昨年10月8日に発売したNintendo Switch(有機ELモデル)。その製品名にあるとおり、有機ELディスプレイを搭載することがもっとも大きな特徴となっており、より鮮やかな描画を実現している。
一方で、有機ELディスプレイの特性として、同一の画像を長時間表示し続けると「焼き付き」が起こってしまうという弱点がある。では、どれくらい表示し続ければ焼き付きが発生するのだろうか。実際にNintendo Switch(有機ELモデル)にて長期間の検証をおこなったYouTuberが、結果を報告している。
検証をおこなったのはYouTuberのBob Wulff氏だ。同氏は『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』のある場面のスクリーンショットを撮影し、その画像を表示させ放置しておくかたちで検証。HORIのグリップコントローラーの連射ホールド機能を使い擬似的に操作を続け、無操作状態が続いたとして画面が自動でオフになることを防いでいる。
Wulff氏は、検証を開始してから約1800時間(75日)が経った昨年12月に、途中経過を報告。その当時は、特に焼き付きは確認できないとの結論だった。そしてそれからさらに時間が経ち、約3600時間(150日)が経過した結果が今回報告された。同氏によると、ようやく焼き付きが確認できるようになったとのこと。
真っ白な画面にしてみると、スクリーンショットで強く光っていた部分が、青い色の残像としてぼんやり見える状態だという。ただ、症状はまだ軽微であり、Wulff氏としては修理に出そうと考えるほどではないと述べている。同氏は、プレイが困難になるほど焼き付くまで、さらに検証を続けるそうだ。
約5か月間にわたり同じ画像をずっと表示し続けて、やっと焼き付きの兆候が見られるようになった。この結果からWulff氏は、一般的な利用において焼き付きの心配をする必要はまったくないとコメントしている。もちろん、同じUIがずっと表示されるゲームを、画面の明るさ最大で長期間プレイし続けた場合には、いずれ焼き付く可能性はある。それでも、何年もの時間がかかるだろうとのこと。
ちなみに、Wulff氏が検証に使った本体の電源を抜き、同じ検証作業を続けたところ、約8時間でバッテリー残量がゼロになったそうだ。ゲームプレイ時と同じ条件とはいえないが、バッテリーはほとんど劣化していないようだと同氏は述べている。
今回の結果は、あくまでBob Wulff氏がおこなった検証での条件下のものではあるが、有機ELモデルのディスプレイの焼き付きに関しては、一般的な利用の範囲であればあまり心配しなくても良さそうである。なお、Nintendo Switch(有機ELモデル)を使用する際の留意点として、任天堂は以下の3点をサポートサイトにて案内している。
・変化(動き)のない映像を長時間または繰り返し表示しない
ゲーム画面を一時停止した状態や、HOMEメニュー、設定画面などを長時間表示し続けないでください。
・自動スリープをONにする、またはスリープに入る時間を短めに設定する
HOMEメニューの「設定」→「スリープ」で設定できます。
・画面を明るくしすぎない(画面の輝度を上げすぎない)
HOMEメニューの「設定」→「画面の明るさ」で調整できます。