『ドラゴンクエスト』堀井雄二氏、世界的なゲーム業界アワードGDCAにて功労賞を受賞。30年以上にわたる活躍を表彰

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Informa Techは2月25日、ゲーム業界アワードGame Developers Choice Awards(以下、GDCA)における受賞者として、日本のクリエイター堀井雄二氏を表彰すると発表した。Lifetime Achievement Award(功労賞)としての受賞で、授賞式は3月23日におこなわれる。 

今回のアワードは、サンフランシスコにて3月に開催されるGame Developers Conference(以下、GDC)に先駆けて発表されたものだ。同イベントは、世界的なゲーム開発者会議。プログラマーやアーティスト、プロデューサー、ゲームデザイナー、オーディオプロフェッショナル、ビジネスリーダーなどゲーム開発関係者が幅広く参加する催しだ。プログラミングやデザイン、ビジネスや法律関係に至るまで、多岐にわたるゲーム関連の話題に関するカンファレンスや討論がおこなわれる。 

そうしたイベントに先駆けて発表されたのが、GDCAだ。同アワードでは、業界関係者の投票により各部門の受賞が決定される。こうしたアワードのなかには、業界内でトップに輝いた作品のほか、開発者に対しても特定の賞が贈られる。そしてこのなかでも、Lifetime Achievement Awardを受賞したのが日本のクリエイターである堀井雄二氏だ。 
 

 
堀井雄二氏は、『ドラゴンクエスト』シリーズ ゲームデザイナー。早稲田大学第一文学部を卒業後、雑誌、新聞などのフリーライターとして活躍した。1982年には、エニックス(現スクウェア・エニックス)主催の「ゲームプログラミングコンテスト」に入賞。これをきっかけとして、にゲームデザイナーとしてのキャリアを開始する。 

『ポートピア連続殺人事件』などを手がけたのち1986年には、シリーズ第1作目となる『ドラゴンクエスト』を発表。ナンバリング第3作目となる『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』は、さまざまな社会現象を引き起こすほどの大ヒットとなり、以後、つねにゲーム業界の第一線で活躍してきた。2017年にも、『ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて』を発売しているほか、コンソール・モバイル問わず『ドラゴンクエスト』シリーズ作品をプロデュースし続けている。今回のLifetime Achievement Awardでは、30年以上にわたり開発の一線に立ってきた活躍を表彰し、受賞のはこびとなった。 
 

 
なおGDCAでは、堀井氏以外の受賞者も発表。Ambassador Awardとして、米国の非営利団体AbleGamersにて開発シニアディレクターを務めるSteven Spohn氏が受賞を果たした。AbleGamersは、ビデオゲームにおけるアクセシビリティを向上し、身体的なハンデのある人々がゲームを楽しめることを目指す団体だ。 

Spohn氏はストリーマーとしてゲームにおけるアクセシビリティ向上を提唱しながら、著作も発表。またAbleGamersにて開発シニアディレクターを務めるなど、多岐にわたり活躍している。CNNやNBCなど主流ニュースメディアに取り上げられ、身体的ハンデのある人の支援技術やゲームのアクセシビリティの専門家としての顔が広く知られている。ハンディキャップのある人がゲームで遊ぶことにより、社会的に孤立することを防ぐことを提唱している人物だ。こうした活動が表彰され、このたびAmbassador Awardを受賞するに至っている。 
 

 
今回、両アワードの受賞者を決定するにあたっては、特別な業界関係者によって審査された。審査員を構成するのは、Outerloop Gamesの共同設立者Chandana Ekanayake氏、Supergiant GamesのクリエイティブディレクターGreg Kasavin氏、Arkane Lyonでキャンペーンディレクターを務めるDana Nightingale氏、Media MoleculeのスタジオディレクターSiobhan Reddy氏、Transmediaでスタジオヘッドを務めるKiki Wolfkill氏など。これらのそうそうたるメンバーが、ゲーム業界のクリエイターによって構成される団体「International Choice Awards Network(ICAN)」の提案にしたがって決定したそうだ。 

Game Developers Choice Awardsの授賞式は、現地時間で3月23日におこなわれる予定。またGDCは3月21日から25日にかけて開催予定だ。 

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