ウクライナのゲームスタジオが、ロシアとの戦争状態を危惧。緊迫した状況をSNS上で発信
ウクライナ・キエフに拠点を置くデベロッパーFrogwaresは2月24日、ロシアによるウクライナ侵攻についてTwitterにてコメントした。
日本でも現在報道が続いているように、ロシア軍は2月24日未明よりウクライナに侵攻。ロシア側は、先日独立を承認したいわゆる親露派支配地域からの要請による特別軍事作戦だと説明している。報道によると、首都キエフなどで爆発が確認され、ウクライナ国内には戒厳令が出されているという。
Frogwaresは、『Sherlock Holmes Chapter One』など「シャーロック・ホームズ」を題材にした作品や、『The Sinking City』などで知られるデベロッパーだ。同スタジオは日本時間の本日午後6時頃、ロシアが祖国を攻撃し、ウクライナの主権を侵しているとし、黙っているわけにはいかないとコメント。ロシアのプーチン大統領に軍を撤退させるよう、あらゆる人に呼びかけをおこなうとした。
心配される同スタジオのスタッフの状況については、安全を確保しようと努めているものの、戦争状態にあることは事実だと述べる。また、仕事に影響が及び、生活も破壊されかねないとして、緊迫した状況にあることを伝えている。
このほか、同じくキエフに拠点を置くデベロッパーVostok Gamesは、ウクライナ国旗の写真をTwitterに投稿。同スタジオは、『Survarium』や『Fear the Wolves』といった作品で知られる。ツイートでは特にコメントしていないが、同スタジオのOleg Yavorsky氏は今週月曜日に海外メディアPolygonの取材に回答。国境付近で緊張が高まりつつあることに触れながら、ウクライナは2014年以来ロシアによる侵略を受け続けており、こうした状況に慣れてしまっているとの心境も述べている。
また、『Halo: The Master Chief Collection』の開発協力などをおこなったRed BeatのYaroslav Singaevskiy氏は、先週金曜日の時点では、いつもどおりに仕事を続けていることを同メディアに語っていた。また、(ウクライナ騒乱からクリミア危機へと発展した)2014年からロシアとの戦争が続いていることにもやはり言及している。とはいえ、先週金曜や月曜とは状況が変わっており、いつもどおりではなくなっているかもしれない。
ウクライナに拠点を置くデベロッパーというと、ほかにも『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズのGSC Game Worldや、『Metro』シリーズの4A Gamesなどが挙げられるが、この両スタジオについては、これまでのところ特に公には反応していない。GSC Game Worldは最新作『S.T.A.L.K.E.R. 2: Heart of Chernobyl』を開発中であり、今年の12月8日に発売予定。SNSなどでは、同作の開発に影響が及ぶのではとの声も聞かれる。何れにせよ、まずは現地で暮らすスタッフやその家族の安全を祈りたい。
【UPDATE 2022/2/24 23:20】
『S.T.A.L.K.E.R.』シリーズの開発元GSC Game Worldは2月24日、スタジオおよび同シリーズの公式Twitterアカウントを通じて声明を発表。ロシアがウクライナに対して宣戦布告し、砲火によって目覚めることとなったが、自由と独立を守る備えはできているとコメント。そして、この先どうなるかは分からないが、自国の軍隊および国を信じる旨を述べた。また、ウクライナ軍への寄付のためにウクライナ国立銀行が開設した口座番号を記し、ゲーム業界をはじめ広く支援を呼びかけている。