Unreal Engine 5プレビューリリース版提供開始。正式版に含まれる予定の新機能をいち早く試せる
Epic Gamesは2月23日、Unreal Engine 5(以下、UE5)のプレビューリリース版を提供開始した。Epic Games LauncherもしくはGitHubからダウンロード可能。
UE5は、2021年5月から早期アクセス版が提供され、正式版リリースに向けて開発が進められている。この間にEpic Gamesは、『フォートナイト』の開発をUE5に移行し、映画「マトリックス」の世界観を再現した『The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience』にもUE5のコードを活用。こうした社内での開発経験が、UE5をより実制作に適した、安定し最適化されたものにしていると述べる。
今回配布開始したUE5のプレビューリリース版(Preview 1)は、早期アクセス版で利用できた機能に加え、正式版に含まれる予定の機能もテスト可能な状態にあるという。次世代ゲーム開発だけでなく、すべての業界のクリエイターに試してもらいたいとのこと。ただし、まだ安定性などの問題があるため、実制作での使用には適していないそうだ。そのため、新しいツールやワークフローを実験する際には、既存のプロジェクトのコピーを作成することが推奨されている。
今回新たに追加された機能としては、まず「Large World Coordinates(LWC)」の初期サポートが挙げられる。広大なワールドを扱う際には、UE4ではワールド基点の再設定などのテクニックが必要だったが、UE5ではLWCによって座標が倍精度に拡張され直接的に扱えるという。Preview 1では、ベースでの倍精度への移行に加えて、こうした変化によるオーバーヘッドを最小限にするために、パフォーマンスやメモリ最適化に注力しているとのこと。
ゲーム内のキャラクターのモーションにマッチさせるための機能として、アニメーションの再生レートをコントロールする「Distance Matching(距離マッチング)」や、動的にアニメーションのポーズを調整する「Pose Warping(ポーズワープ)」も追加。これらの機能を組み合わせることで、少数のアニメーションセットで幅広いモーションに対応できるそうだ。
また、Animationブループリントのロジックを制作できる「Anim ブループリント テンプレート」や、Unreal Editorでのスケルタルキャラクターのアニメーションがより簡単かつ効率的におこなえる「IK リグ」と「IK リターゲッター」といった新機能も用意されている。
このほか、早期アクセス版から公開されていたNanite・Lumen・One File Per Actor・World Partition・MetaSoundなどの各種ツールにおいては、安定性や品質、パフォーマンスの改善などが実施。また、一部ツールでは新機能の追加もおこなわれている。詳しくは公式サイトを確認してほしい。
Unreal Engine 5のプレビューリリース版は、Epic Games LauncherもしくはGitHub(ログインが必要)からダウンロード可能だ。使用時に問題を発見した場合には、バグ報告ページに登録してほしいとのことである。