『ポケモン レジェンズ アルセウス』で「ノボリを帰して」コールが相次ぐ。孤独なサブウェイマスターに悲嘆抱くファン続出
『Pokémon LEGENDS アルセウス(ポケモン レジェンズ アルセウス)』にて、あるキャラクターの存在がファンを沸かせているようだ。株式会社ポケモンは2月15日、同作にまつわる新情報を公開。これまで情報として伏せられていた御三家のヒスイのすがたや、ディアルガおよびパルキアのオリジンフォルムといった情報が解禁された。
発売から一定期間が経過し、ある程度の“公式ネタバレ”が解禁された本作。そのなかではポケモン以外にも、人間キャラクターについて紹介された。ストーリー進行で出会うキャプテンたちやコギトなど、物語に関わる人物たちの存在が明らかになっている。こうしたなかでも注目を集めているのが、キャプテンのひとりであるノボリだ。なお下記においては、ノボリについてのネタバレを含む。
ノボリは、シンジュ団に所属するキャプテン。彼はもともとヒスイ地方にいたわけではなく、記憶を失って立ち尽くしていたところ、シンジュ団に拾われた経緯をもつ。天冠の山麓にいるマルマインを鎮める任務の際、途中まで同行してプレイヤーを案内してくれるのだ。道先のガイドをしてくれるほか、ときには失った記憶を辿るべく、主人公にバトルを仕掛けてくることもある。鉄道用語を会話に織り交ぜるのが口癖だ。
謎めいた設定のノボリだが、結局『ポケモン レジェンズ アルセウス』においてその出自が明確に語られることはない。しかし、それもそのはず。一部のユーザーにとっては、ノボリの正体は明白だからである。
ノボリの初出作品は『ポケモン レジェンズ アルセウス』ではない。遡ること12年前、『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』にて、サブウェイマスターなるボスとしてその姿を表していた。同作では、クリア後に訪問できる施設としてバトルサブウェイが存在する。シングルトレインにて連勝を重ねると、最後にボスキャラクターとして登場。さらにマルチトレインでは、相棒のクダリとタッグを組んで現れる。ともに強敵としてプレイヤーの前に立ちはだかり、大きなインパクトを与えた。その影響もあってか、ストーリーにはほとんど絡まないにも関わらず、人気が急上昇。多数のグッズが発売されたほか、『ポケモンマスターズ EX』にも参戦を果たしている。
ノボリが登場した『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』は、『ポケモン レジェンズ アルセウス』より未来の時間軸の話だ。『ポケモン レジェンズ アルセウス』でのノボリは記憶を失いつつも、「大事なパートナー」だったほのおを使うポケモンや、「わたくしに似た男」について言及。どうやら先祖などではなく、何らかの原因で『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』の時空から『ポケモン レジェンズ アルセウス』の世界に飛ばされてきてしまった、ノボリ本人であることがうかがえる。そして、パートナーポケモンのシャンデラや相棒のクダリとは離れ離れになってしまったようだ。
過去作の人気キャラクターであるノボリが出演したことで、ファンからは喜びの声も多数聞かれる。しかしその一方で、なかには悲嘆の声も上がっているようだ。というのも、先述したとおりノボリには、双子の片割れであるクダリや、パートナーポケモンであるシャンデラが付き添っていた。しかし、『ポケモン レジェンズ アルセウス』におけるノボリは独りぼっち。ストーリーを進めても、相棒との再会はおろか、記憶を完全に取り戻すこともかなわない。そのため旧来のファンからは、悲壮感あふれるノボリの現状にショックを受け、「元の世界に帰して」「DLCでもいいからクダリに会わせて」といった声が続出している。
*サブウェイマスターファン界隈の悲惨な現状を揶揄するミーム。
なかにはショックのあまりか、より突っ込んだ考察をするものも。『ポケットモンスター ブラック・ホワイト』や『ポケモンマスターズ EX』などに登場した際のノボリは、つねに向かって右側の手で帽子のつばを押さえる仕草が癖だった。しかし『ポケモン レジェンズ アルセウス』においては、ノボリは向かって左の手で帽子を押さえる姿を見せる。これは、相棒のクダリがよく見せた癖だ。このことから、「実はノボリは本人ではなく、自分をノボリだと思い込んでいるクダリなのでは」とまで勘ぐるユーザーもいるようだ。真偽のほどは不明である。
人気キャラクターのサプライズ出演は多くのファンに喜ばれるものだが、ノボリの場合、ここまで悲痛に迎えられるケースも珍しい。それだけ、もとの2人組としてのサブウェイマスターが人気であったことの裏返しといえるだろう。はたして今後の展開で、ノボリのストーリーに新展開があるのか。先行きは不透明である。
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