プロゲーマーたぬかな氏、所属チームとの契約を解除。配信中の身長に関する発言を受けて


国内のeスポーツチームCYCLOPS athlete gamingは2月17日、同チームに所属する選手・たぬかな氏との契約を解除したことを明かした。先日配信されたストリーミングにおける、たぬかな氏の不適切な発言が原因とのこと。 
 

 
CYCLOPS athlete gamingは、2016年に設立した、大阪に拠点を置くeスポーツチームだ。『PUBG BATTLEGROUNDS』や『レインボーシックス シージ』といったFPS大会でその名が知られるほか、『ストリートファイターV 』や『ドラゴンボールファイターズ』など格闘ゲーム大会でも活躍する選手を擁する。そうしたなかに顔を並べているのが、『鉄拳』プレイヤーとして知られる、たぬかな氏だ。 

たぬかな氏は、徳島県出身のeスポーツ選手。ComboBreaker 2017の鉄拳部門にて3位を受賞したほか、TEKKEN World Tour Online 2017(Asia-Pacific East)では準優勝を飾る。WESG 2018-2019 Grand Final デモンストレーション 鉄拳7 女子部門で優勝を果たしているほか、STARGAMERS COMMUNITY FESTIVAL-vol.5 – 女性限定 鉄拳7でも優勝を飾った一線級のプレイヤーだ。 

そうしたたぬかな氏だが、2月15日に配信した自身のストリーミングにて、不適切な発言をおこなったとして指摘を受けていた。同配信内では、たぬかな氏は、Uber Eatsの配達員に連絡を聞かれとして怖かったと漏らしつつ、その男性の身長について言及。「身長170センチメートル以下の男性」について「人権ない」といった発言を繰り返しており、誹謗中傷や差別と受け取られる言動が見られた。同発言はネット上で多くの批判を集めることとなり、のちにたぬかな氏は自身のTwitterで弁明。「高身長が好きって言いたいだけでした」として、あくまで身内の空気感で言動が粗暴になってしまったことを認め、「ごめんなさい」などと発言していた。一方でその謝罪の口調にも疑念が寄せられ、当該ツイートはのちに削除されている。 

その後、所属チームであるCYCLOPS athlete gamingも、2月16日18時ごろには声明を発表。所属選手による配信中の不適切な発言があったとして謝罪した。同日夜にもたぬかな氏より、「プロeスポーツ選手として、また社会人としてあるまじき発言をした」として、謝罪のツイートが投稿されている。 
 

 

 
そして続く2月17日、たぬかな選手との選手契約解除がCYCLOPS athlete gamingより発表された。たぬかな氏の配信中における不適切な発言と姿勢は、同社として決して容認できるものではなく、選手契約解除という判断に至ったという。またCYCLOPS athlete gamingは、いかなる差別的・侮辱的な行為や言動・SNS等での発言も許されるものではないと認識しており、すべての人にとっての多様性を大切にしていると強調した。 

なおたぬかな氏は先だってレッドブルとのスポンサー契約を結んでいたが、レッドブル公式サイトのアスリートページからは、すでにたぬかな氏の情報が削除されている。今回の一件がたぬかな氏との契約に影響を与えた可能性は高いだろう。 

今回の件が“一発アウトではない”との見方も根強い。というのも、たぬかな氏はこれまでにも、身体やジェンダーに関する過激な発言をすることが一部ユーザーの間では知られていた。今回の件は大きく話題にのぼったことのほか、もともと危うい言動をしていたことが要因としてあるのかもしれない。 

ちなみに「人権」は、ゲームにおけるスラングとして、「(原義の)人権と同じくらい、必要最低限としてもっておきたいキャラクターや能力」といった意味合いで用いられる場合がある。たぬかな氏から「人権がない」といった過激な発言が飛び出した背景には、こういったスラングとしての定着度が背景にあったのかもしれない。とはいえ、その後も強い口調で低身長に関する批判をしていたことから、単なる言葉選びミスというわけではなさそうだ。 

CYCLOPS athlete gamingとの契約解除を受けて、たぬかな氏の今度の動向については今のところ明かされていない。





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