PS4/PS5『Sifu』のプレイヤーの多くは、“第2ステージ”で詰んでいるとのデータ。特殊な仕組み、高難度アクションの試練


今月2月8日に発売され、さっそく売り上げ50万本を達成した高難度アクション『師父―Sifu―(以下、Sifu)』。数多くのプレイヤーがカンフーを繰り出し戦っているようだが、その中でも第二のステージで詰んでいる人が多いようだ。Push Squareが報じている。


『Sifu』は、2月8日に発売されたカンフーアクションゲームだ。対応プラットフォームはPS4/PS5/PC(Epic Gamesストア)。本作の主人公は、カンフー使いの若者。師匠を殺めた人物たちを復讐するために、戦いが繰り広げられる。主人公は基本的に一人で戦わなければならない。一方で不思議な力を借りることもできる。というのも、主人公は死亡するたびに、ペンダントの不思議な力で復活することが可能なのだ。ただし代償として、よみがえるたびに主人公が少しずつ歳をとっていく。死ぬペースが速ければ年齢経過のぺースも速くなり、寿命が近づいてくるのだ。そして70歳以上になり死亡すると、その時点でゲームオーバーとなる。

『Sifu』は、非常に難易度の高いアクションとして開発されている。敵は主人公の攻撃を巧みに防御してくるほか、複数の敵に囲まれることも多い。敵はこちらの動向お構いなしに攻撃してくる。ある敵にコンボを入れている最中、違う敵に後ろから攻撃を入れられ、状況が一転するというケースもある。多彩な攻撃のほか、防御や回避などを用いつつ、周りの状況を見て的確な位置取りをし、慎重に戦況をくぐらなければならない。そしてPS4/PS5トロフィーのデータでは、そうした難易度に苦戦しているプレイヤーの軌跡が垣間見える。


さっそくPS5版のトロフィーデータを見てみよう。第一ステージをクリアしたプレイヤーは82%ほど存在。しかし第二ステージをクリアしたプレイヤーについては、33%ほどに落ち込む。さらに第三ステージをクリアしたプレイヤーは16%、といった次第。発売から間もないタイトルということもあり、今後トロフィーの取得率も上がっていくと思われる。一方で、第一ステージを80%以上がクリアしたにもかかわらず、第二ステージともなるとクリア率が一気に悪くなるというのは興味深い。これは一重に、本作の性質を表しているだろう。

じつは本作は高難度ゲームとはいえど、序盤はプレイヤーにもそれなりに易しい。第一ステージは厳しい局面もありつつも、死にながら年齢経過を経ても挑んでいけば、多少無茶をしてもクリアすることができるだろう。問題はその後だ。第一ステージ時点での年齢は、第二ステージに引き継がれる。つまり、65歳で第一ステージをクリアすれば、65歳のまま第二ステージに挑むことになる。


年をとれば体力は落ちるが攻撃力は上がるため、デメリットばかりではない。とはいえ、本作のゲームオーバーのラインは70歳。年齢が高ければ、ゲームオーバーになるのも早くなる。手強い第二ステージをクリアするには、自分自身のテクニックの向上のほかに、「第一ステージをより若い状態で突破する」というのもポイントになってくる。新ステージに挑む前に、前ステージをよりテクニカルにクリアする必要もある。本作ならではのシステムが、ある種の壁になっているのだろう。

一方で、一度クリアしたステージを周回することもまた、本作の醍醐味となっている。配置を覚えて戦いを繰り返すことで、プレイヤー自身がうまくなっていることを実感しやすいし、1ステージ自体も短い。また一度クリアしたり、ショートカットを見つけることで、周回を速くすることも可能。こうしたことをこなして初めて、『Sifu』というゲームの全体像が見えてくる。いわば第二ステージは、本作における第二のオープニングともいえるわけだ。

そうした第二ステージを前にして、多くのプレイヤーが苦しんでいるようだ。彼らがこの壁を乗り越えられるかどうかは、ひとつ興味深いポイントになりそうである。いずれにせよ、この壁の高さが、本作の魅力のひとつになっているのは間違いなさそうだ。『Sifu』はPS4/PS5/PC(Epic Gamesストア)向けに発売中である。