『ペルソナ4』を「ゲームボーイ風」に再現したデモ版が公開され、注目を集めているようだ。スタイリッシュなJRPGの傑作が、レトロな画面で新たに描き出されている。
『ペルソナ4』は、2008年に発売されたPlayStation 2用RPG。本作の舞台である田舎町では、奇妙な連続殺人事件が起こっていた。主人公は、雨の日の午前0時に映るというマヨナカテレビの噂や、異世界での奇妙な出会いをきっかけに自称特別捜査隊を結成。高校2年生としての青春を送りながら、町の裏側で起こりつつある大事件に仲間たちと挑んでいく。本作は、2012年には追加要素をプラスした『ペルソナ4 ザ・ゴールデン』が発売。のちにSteamにも移植され、売上100万本を突破するスマッシュヒットとなった(関連記事)。
Steam版移植にあたっては可変フレームレートやフルHD解像度に対応し、現代にふさわしい進化を遂げた同作。一方、ファンの手によって逆に、レトロなゲームボーイ風にアレンジされた“リメイク”ならぬ“デメイク”作品が注目を集めている。デベロッパーのSeanSS氏は2月2日、『ペルソナ4』の非公式デメイクとして『Persona 4 GB』を発表した。
『Persona 4 GB』では、もともと3Dグラフィックを中心に描かれていた『ペルソナ4』の世界が、ゲームボーイ風のドット絵で再現されている。今回公開されたデモバージョンでは、ゲーム開始から15分程度を体験できる。ガソリンスタンドに停まるシーンでは、街中を探索することも可能だ。イベントのカットシーンは粗めのピクセルアートで描かれるほか、稲羽市の街並みや堂島宅は横スクロールと見下ろし視点で描かれている。見た目はレトロになっていても、セリフは原作を忠実に再現しているため、新鮮かつ懐かしい気持ちでプレイできるだろう。
SeanSS氏によれば、『Persona 4 GB』はゲームボーイ風ゲームを開発可能な無料エンジンGB Studioによって開発された。ROMをダウンロードすればエミュレーターのほか、ゲームボーイ実機でもプレイが可能だという。SeanSS氏が海外メディアGameSpotに語ったところによれば、当初はフルゲームを実装しようと考えたものの、数多くのコミュやカットシーンを再現するには何年もかかると考えたため、ひとまず今回のデモ版のみを開発したようだ。
開発にあたってはカットシーンのアニメーションに苦労したといい、個々のシーンが正常に動くことを確認するのが大変だったそうだ。今後『Persona 4 GB』の続きを開発するかどうかは今のところ未定。確実ではないものの、『ペルソナ5』をGB Studio 3.0でデメイクする案も検討しているという。
デメイクは、さまざまなゲーム作品でおこなわれる二次創作の一種だ。最新プラットフォーム向けに開発されたゲームを、あえて数世代前のプラットフォーム風に再構築した作品を指す。ここ最近で話題となったデメイク作品としては、『ブラッドボーン』のデメイクも注目を集めた。PlayStation 4向けに開発された同作を、初代PlayStation作品風に作り変えており、ローポリで再現された狩人やヤーナムの街が高い評価を受けた。
『Persona 4 GB』はitch.ioにて公開中。ブラウザ上でプレイが可能なほか、ROMを無料でダウンロードすることもできる。なお本作は、あくまでアトラスおよびセガとは無関係の二次創作なのでご注意。