PS4/PS5『グランツーリスモ7』最新情報まとめ。新規・復活要素や、進化した天候・物理シミュレーションの情報など
ソニー・インタラクティブエンタテインメントは2月3日、『グランツーリスモ7』を特集した番組「State of Play」を放送し、初公開映像を含む最新情報を届けた。本作は、PlayStation 4/PlayStation 5向けに3月4日発売予定だ。
『グランツーリスモ7』は、SIE傘下のポリフォニー・デジタルが手がけるドライビングシミュレーター『グランツーリスモ』シリーズの最新作だ。シリーズの集大成として、過去150年もの自動車文化とレース文化のすべてを伝えるとし、ゲームシステムやゲームボリュームなど、あらゆる面で大きな進化を遂げているという。
本作では、世界中の60以上の自動車ブランド・400車種以上の車を収録。またアップデートによって順次追加していくことを計画しているとのこと。そしてレースやイベントの舞台となるコースは、実在・架空含め34ロケーション・97レイアウトを収録。こちらもアップデートでの追加が予定されている。
まず本作にて復活した要素のひとつとして「マップ」が挙げられる。カーライフを楽しめるリゾート地をイメージしてデザインされており、本作のあらゆるフィーチャーに直接アクセスできるメニュー画面という位置付けだ。マップからアクセスできるものとしては、たとえば「カフェ」がある。カフェは本作のゲームプレイの中心になる存在となっており、ここにはさまざまな課題が書かれた“メニューブック”が存在。課題を完了させると各車の解説を詳しく聞くことができる。
カーディーラーには、ブランドセントラル・ユーズドカーディーラー・レジェンドカーディーラーの3種類を用意。ブランドセントラルは2001年以降の新車を購入できるショッピングモールであり、各社のディーラーが集まっている。約300車種が販売されるという。
ユーズドカーディーラーは中古車専門のディーラー。よりリーズナブルに購入できるが、90年代の日本のスポーツカーなどでは、プレミア価格がついたものもあるそうだ。中古車ラインナップは毎日更新されていく予定。そしてレジェンドカーディーラーでは、歴史的価値がある名車だけが集められている。
収録コースには「ワールドサーキット」からアクセスする。開催中のレースやチャンピオンシップ、あるいはさまざまなアクティビティに参加でき、コースを学ぶための「サーキットエクスペリエンス」にもアクセスできる。天候や時間、周回数、敵車のセットなど、レースの各種設定を自由におこなえる「カスタムレース」も、ここからアクティビティとして楽しむことが可能だ。
シリーズの伝統ともいえる「ライセンス」ももちろん収録。短めのタイムトライアル試験に挑戦しながらステップアップ形式でドライビング技術を学べる。また、ユニークなレースを集めた「ミッションレース」も用意され、ドラッグレースやドリフトトライアルなどを楽しむことができるという。
マルチプレイヤーモードについては、オフラインでは画面分割での2人対戦が可能。そしてオンラインでは、フレンドと一緒に楽しむ「ロビー」や、よりシリアスなレースを楽しめる「スポーツモード」、そしてロビーをよりカジュアルにした「ミーティングプレイス」が用意される。
復活したさらなる要素として「チューニングショップ」が帰ってくる。1台あたり60種類を超えるチューニングパーツが用意され、購入・装着してクルマの性能を上げることができる。また「GTオート」では、車の外観のカスタマイズ、洗車やオイル交換などの各種メンテナンスなどが可能。エアロパーツは650種以上、ホイールは130種以上、ペイントカラーは約1200色を収録するという。
リバリー(ステッカー)を貼って車の外観を自由に編集できる「リバリーエディター」はパワーアップ。前作『グランツーリスモSPORT』では不可能だった場所にステッカーが貼れるようになったほか、1台あたりのステッカー数の上限が増えているとのこと。
いわゆるフォトモードの一種である「スケープス」では、全世界2500以上のスポットにて愛車の写真を撮影可能。各スポットはHDRテクノロジーによって収録されており、リアルな光の表現と自由度の高いエフェクトによって、現実世界では不可能に近い高度な写真表現を可能にしたという。
また、レース中の躍動感溢れる写真撮影を楽しめる「レースフォト」も用意される。こちらはレースのリプレイを一時停止し、そのシーンのなかに入り込むようなかたちで撮影できるモードだ。
リプレイに関しては、新たに「ミュージックリプレイ」が登場。コースにあらかじめ設定されたカメラで車を追うのではなく、音楽に合わせてカメラ・カットが自動で生成される。リプレイを再生するたびに違ったカメラワークになるモードである。
こうして作成したリプレイや写真、リバリーなどは「ショーケース」にて閲覧できるほか、オンラインを通じてほかのプレイヤーと共有することも可能となっている。
最後に本作のビジュアル面や物理シミュレーションについて。PS5版ではレイトレーシングに対応し、まるで実写のようなグラフィックを実現するという。プロデューサーの山内一典氏は、レイトレーシングは車の表現がもっとも得意なのではと語り、本作はつぎの次元にジャンプしたとコメントしている。
時間変化や天候変化のシミュレーションも大きく向上。過去の膨大な気象データをもとに、それぞれの地域での特徴的な湿度や気圧などを設定し、雲が生まれる過程をシミュレートする。たとえば、日本の空は日本らしく変化するとのこと。また、星空もより高品質な表現となり、大気が澄んでいる時と濁っている時では星の色が変化するそうだ。
時間や天候の変化のシミュレーションは見た目だけの演出ではなく、路面温度などに影響を与えるそうだ。結果的にタイヤのグリップやエンジンパワー、スリップストリームの効き具合に影響する。また雨が降った後は、通過する車両が多い走行ラインから乾きはじめるといったこともシミュレートしているとのこと。なお、本作では「雨雲レーダー」が用意され、レース中の近い将来の天候を予測できる。
自動車物理シミュレーションに関してはさらに大きく飛躍したとのこと。本作では、F1ドライバーのルイス・ハミルトン氏をアドバイザーに、タイヤメーカーのミシュランをテクニカルパートナーに迎え、またFIA GT選手権のトップドライバーからの多くのフィードバックを得たうえでチューニングしているそうだ。
前後の車高変化によるダウンフォースの変化や、風向き、乱流によるハンドリングの影響を再現するため、コンピューターによる空力シミュレーションも導入。ドライビングフィールが、どのくらい人間の感覚に合っているかを追求したシミュレーションモデルになっているとのこと。
このほか、PS5版ではDualSenseのハプティックフィードバックとアダプティブトリガーを活用。タイヤがロックした時、あるいはフロントタイヤが滑り始めてアンダーステアが出た時の振動が指先に伝わり、車の状況や路面の様子を的確に感じ取ることができるという。また、3Dオブジェクトオーディオにも対応し、音がどの方向から鳴っているのかをリアルに再現する。
『グランツーリスモ7』は、PS4/PS5向けに2022年3月4日に発売予定だ。