ナメクジ猫サバイバル『Rain World』ファン開発の大型拡張Modを正式採用へ。開発元がゲームの権利を再獲得し実現

デベロッパーのVideocultは1月29日、現在販売中のアクションアドベンチャーゲーム『Rain World』について、ファンによって開発中のMod「More Slugcats Expansion」を正式に採用することを明らかにした。

デベロッパーのVideocultは1月29日、現在販売中のアクションアドベンチャーゲーム『Rain World』について、ファンによって開発中のMod「More Slugcats Expansion」を正式に採用することを明らかにした。実装時期は未定で、「そう遠くない将来」とだけ案内されている。
 

 
『Rain World』は、文明崩壊後の世界を舞台にするアクションアドベンチャーゲームだ。主人公であるナメクジ猫が、はぐれてしまった家族を探すために、過酷な環境を生き抜き冒険する。本作の世界には奇妙な生物がさまざま生息しており、食物連鎖の概念が存在することが特徴だ。ナメクジ猫は生態系の上位に位置しているわけではなく、狩られる危険に怯えながらも、自らも捕食して飢えをしのがなければならない。また、世界を飲み込む豪雨が発生することもあり、手遅れになる前に安全な場所へと避難するのだ。

本作は2017年にPC/PS4版がリリースされ、その後Nintendo Switchにも移植。非常に高い評価を獲得し、のちに最大4人でのマルチプレイモードや、環境をカスタム可能なサンドボックスモードなどを追加している。
 

 

 
ここ数年は特にこれといった動きのなかった本作であるが、開発元Videocultは1月29日、Twitchにて生配信を実施。このなかで、先述したファン開発のMod「More Slugcats Expansion」を、正式にサポートすることを発表した。

同Modは、4年以上開発が続けられている拡張Modだ。新たなプレイアブルキャラクターとして5種類のナメクジ猫が追加されるほか、10種類の新たな環境にまたがる1000以上のマップ、生物やアイテム、また異なるエンディングを含むストーリーなども追加されるという。追加キャラクターは、水中で息ができたり、爆発物を扱えたり、長い舌を武器にしたりと、それぞれ特徴が異なる。

このほか、プレイヤーのサバイバルスキルが試される多数のシナリオを収録するチャレンジモードや、本編で探索したエリアを再訪して生態系の様子を眺めたり、ほかの生物を操作したりできるサファリモードといったゲームモードも追加。また、初心者のためのヒント機能や、敵のマップ表示機能、情報ログなどのQoL改善や、マップを調整し新たな攻略ルートを作ることも計画されている。
 

 
かなり大規模な拡張をおこなうModとなっているが、今回正式に採用された背景には、『Rain World』をめぐる権利関係があったようだ。開発元Videocultは放送にて、約1年をかけた法的手続きの末に本作の全権利をふたたび獲得し、自分たちがやりたいことができるようになったと述べている。

どういった事情があったのかは不明だが、本作の販売元であるAdult Swim Gamesに預けていた権利を、取り戻したということかもしれない。同社は、これまでにいくつものインディーゲームの販売を手がけているものの、2020年発売の『Samurai Jack: Battle Through』以降は新作が出ていない。また公式Twitter上での発信は、昨年6月にリツイートをしたのが最後。運営が停止しているようにもみえ、Videocultが思うように活動できない状況にあった可能性がありそうだ。

ともあれ、『Rain World』へのMod「More Slugcats Expansion」の実装が公式におこなわれることが決定した。配信時期は未定だが、数週間後には詳細を発表するとのこと。また、本作の権利を再獲得したことにより、すべてのプラットフォームのバージョンを同等にすることも計画しているとのことだ。

『Rain World』は、PC(Steam)/PS4/Nintendo Switch向けに配信中だ。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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