デベロッパーのIO Interactiveは1月28日、ステルスアクションゲーム『HITMAN 3』のPC(Steam)版について、ローンチから2月19日までに購入したユーザーに対する無償アップグレードを発表した。これから購入した場合にも適用される。
今回発表された無償アップグレードの内容は、本作の「Standard Edition」を購入した場合は「Deluxe Edition」にアップグレード。また「Deluxe Edition」もしくは『HITMAN Trilogy』を購入したユーザーには、「Seven Deadly Sins Collection」が提供される。
「Deluxe Edition」は『HITMAN 3』ゲーム本編に加え、エスカレーションと呼ばれるミッションの追加コンテンツや、スーツなどのゲーム内アイテム、デジタルサウンドトラックなどを収録する。「Seven Deadly Sins Collection」は、本作向けに配信された7種類のDLCセットだ。そして『HITMAN Trilogy』は、『HITMAN』から『HITMAN 3』までの三部作をまとめて入手できるバンドル版である。いずれのアップグレードにおいても、差額にして約4000円分のコンテンツを入手できるかたちとなる。
異例ともいえる大盤振る舞いの無償アップグレードであるが、発表のなかでIO Interactiveは、『HITMAN 3』のSteamでのローンチは思ったようにはいかなかったと振り返っている。実は本作のPC版は、昨年1月にEpic Gamesストア先行で配信され、1年間の独占期間を経て、今年1月21日にSteamでも配信開始された。そのSteam版の販売価格が、Epic Gamesストアでのローンチ時と同じフルプライスだったことで、一部のファンの怒りを買ってしまった。
つまり1年前の“古い作品”であるため、それなりに定価を引き下げるか、通常版に追加コンテンツなどを同梱して販売すべきだという指摘だ。Epic Gamesとの時限独占配信により、Steamユーザーは1年も待たされたという不満もあったかもしれない。結果として、Steamの本作のユーザーレビューでは、いわゆるレビュー爆撃が発生。大量の不評が投じられ、全体的なステータスは現時点で「賛否両論」となっている。不評レビューの内容を見てみると、ゲームそのものについては高く評価しながら、価格設定に言及するものが多い。
Steam版のローンチが期待どおりではなかったというのは、こうした荒れた状況を指しているのだろう。IO Interactiveは、ファンがこのようなかたちで本作での冒険を始めることになるのは不本意であるとも述べている。そこで、価格設定はそのままに、先述したようなかたちでの無償アップグレードを提供することとしたようだ。対象者へのアップグレードの適用は、1月27日から順次実施される。
『HITMAN 3』は、PC(Steam/Epic Gamesストア)およびPS4/PS5向けに販売中。また、本作を同梱する『HITMAN Trilogy』についてはXbox One/Xbox Series X|S版も国内配信されており、Xbox Game Pass向けにも提供中だ。
なお、発売から2年目を迎えた本作では、PC版でのVR対応や、「Elusive Target Arcade」モードの追加が実施。また、今春には「Freelancer」と呼ばれるローグライク要素のある新モードの追加が、さらに年内にはPC版へのレイトレーシング対応などもおこなわれる予定となっている。