「4000年前のボードゲーム」が考古学チームにより発見される。オマーン北部において、謎の塔とともに出土

出土したボードゲーム / Image Credit : Polish Centre of Mediterranean Archaeology, University of Warsaw
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ある考古学調査において、「4000年前のボードゲーム」が発掘されていたようだ。調査の内容は今年1月の頭に公表。1月26日には海外メディアArs Technicaが取り上げたことで、一般読者からも注目を集めることになった。

今回の発見があったのは、北オマーンに位置するQumayrah渓谷。オマーンとポーランドの合同プロジェクト「青銅器時代と鉄器時代のオマーン北部の山岳地帯における集落の発展」により調査がおこなわれた。チームを率いていたのは、ワルシャワ大学・地中海考古学ポーランドセンター(PCMA UW)のPiotr Bieliński教授と、オマーン国遺産観光省の古代遺物局長、Sultan al-Bakri博士である。プロジェクトは、北Hajar地域を調査し、これまで研究が進んでいなかった地域における集落の発展と形態についてリサーチを進めていた。

今回の調査では、Ayn Bani Saidah村の近くに位置する、青銅器時代と鉄器時代II期のウンム・アル=ナール文化の集落が、チームの活動の主な焦点だった。Bieliński教授によれば、Ayn Bani Saidah村は、南方・北方・東方の遺跡にそれぞれ接続するルートの交差点に位置している。これらのルートに沿っては、ウンム・アル=ナール文化時代からの遺跡が数多く発見されてきた。そのため、今回の調査地点でも同様の遺跡が発見されることが期待されていたわけだ。
 

Image Credit : Polish Centre of Mediterranean Archaeology, University of Warsaw

 
そうしたなか、意外な遺物が発見された。それが、「4000年前のボードゲーム」である。石材で作られており、印のつけられた盤面と、いくつかのカップホールを有しているという。同じ特徴をもつボードゲームについては、青銅時代における数多くの経済的・文化的中心地において、遊ばれていたことが知られている。

気になるルールについては謎に包まれているものの、すでに発見されている類例から実像を想像することはできるかもしれない。もっとも有名なものとしては、イラクのシュメール人都市国家ウルから出土した「ロイヤルゲーム」が挙げられる。同ゲームはさまざまな図柄が描かれたマス目を使用。サイコロで出た目の分コマを進める、すごろくのようなルールで遊ばれていたとされている。同様のゲームは中東地域で広く発見されており、オマーンでも似たルールが流布していた可能性はあるかもしれない。

なお今回の調査では、ボードゲーム以外にもさまざまな遺物が発見。4本の塔をもつ遺跡が発見され、その用途について研究が進められている。ほか、銅の精錬をおこなっていた証拠も発見された。オマーンについては銅による交易が盛んにおこなわれていたことが文書で伝わっていたが、今回の遺物発掘によりそれが裏付けられたかたちだ。壮大な遺構を擁し、交易も盛んにおこなわれていた豊かな土地であったと考えれば、娯楽品であるボードゲームが発掘されるのも合点がいく話といえそうだ。
 

Image Credit : Polish Centre of Mediterranean Archaeology, University of Warsaw

 
プロジェクトは、次年においてもQumayrah 渓谷の調査を進めていくとのこと。古代の娯楽についても、より多くが明かされることを期待したいところだ。

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