自動車産業シミュレーション『GearCity』Steam正式リリース。経済も歴史もリアリスティックな骨太シム

 

デベロッパーのVisual Entertainment And Technologiesは1月15日、経済シミュレーション『GearCity』を正式リリースした。1月18日現在、Steamトップの「話題の新作」に顔を見せている。
 

 
本作は、現実に基づいた複雑な経済シミュレーションを売りにしたシムだ。ゲーム内はおおむね日本語表示に対応している。プレイヤーは自動車会社のCEOとしてさまざまな分野を手がける。自動車の設計や生産ラインの構築は基本的な仕事。さらに雇用、工場や流通網の拡大、マーケティングの予算組み立て、組合との交渉といった多岐にわたる業務をこなすこととなる。

『GearCity』では複数のマップを選ぶことができ、それぞれの都市で人口や成長率などが異なる。さらに歴史的に正確な売上の数値をもとに、AIにより経済競争が生み出される。マップごとに史実に沿ったイベントも用意されており、第一次世界大戦や大恐慌なども経験可能。たとえば戦時中は軍需品を生産して政府に売りつけるなど、時代に合わせた戦略がとれるのだ。
 

 
本作は正式リリースをもって一区切りとなったものの、今後も開発者が可能な限り、カスタマーサポートやバグ修正を続けていくそうだ。さらに今後は新たに「Development as a Service」なるシステムを開始し、ゲームに機能を追加するための資金を集めるという。「Feature Bounty(機能の報奨金)」プログラムとして始動する予定で、今後Steamニュースではない場所で情報を発信していくそうだ。Feature Bountyにあわせて公式フォーラムも再オープンする予定だという。

今後の開発者は、ユーザーマニュアルを完成させたのち、数日の休暇を取る予定。そののちは新作として『AeroMogul』なる作品に取り組む予定だという。こちらは航空産業を主題としたシミュレーションになるようだ。『GearCity』と同様に奥深い作品になる予定とのことで、複雑なゲームプレイが展開されそうだ。開発チームとしては、自社エンジンの使用をやめたことで、さらなる開発スピードアップが見込めるとのことである。

『GearCity』は、本稿執筆時点で900件以上のSteamストアレビューを獲得。ステータスは「非常に好評」となっている。まず自動車ファンからは、シャーシやエンジンなど細かくカスタマイズして自動車を製造できるこだわりに高評価。逆に自動車をまったく知らなくとも、近代史の経済情勢を追体験できる楽しみや、ひたすら数字の動きを管理する内政的な遊び方を評価するユーザーもいる。総じて、リアリスティックに表現された各要素がファンからの支持を獲得しているといえそうだ。
 

 
『GearCity』は現在、Steamにて販売中。1月22日までセールをおこなっており、通常価格2050円のところ25%オフの1537円で入手することが可能だ。