Nintendo Switch『ダンジョンマンチーズ』パッケージ版が、7月28日に発売延期。早期アクセスタイトルを家庭用機で売る複雑さ

 

パブリッシャーのコーラス・ワールドワイドは1月17日、アクションRPG『ダンジョンマンチーズ』のNintendo Switch向けパッケージ版について、7月28日に発売日を変更すると発表した。これまで3月10日発売としていたため、約4か月の延期となる。ダウンロード版はすでに配信中だが、本作の開発の事情が絡んでいるようである。

『ダンジョンマンチーズ』は、台湾のデベロッパーmaJAJaが手がけるアクションRPGだ。主人公は、とある事情で死んでしまったものの、ネクロマンサーの女の子シマーによってゾンビとして蘇った男。そして彼はシマーに導かれながら、謎の巨大地下複合施設から脱出することを目指す。

施設内は複数の環境を擁するダンジョンとなっており、馴染み深い生き物や植物などのような奇妙な魔物たちが徘徊し、強大なボスも存在。プレイヤーは武器を手に、魔物を倒しながらステージを進んでいく。本作の特徴は、魔物を倒すと素材として入手し、それを調理できること。そして出来上がった料理を食べると、新たな能力を獲得できるのだ。ただし、胃袋の中に入るのは最大7種類まで。ステージや敵に合わせて能力を組み合わせて攻略を目指そう。また、食べられない素材は武器や防具にクラフト可能。こちらも多彩な性能のアイテムが用意されている。


本作は、2019年6月にPC版の早期アクセス配信がSteamにて開始。それから開発が進められ、新たなストーリーやステージ、敵キャラクター、そして料理などが追加されてきた。狩った魔物を調理して食べたり装備にしたりというユニークなRPG要素のほか、シマーなど登場キャラクターたちとのユーモア溢れる会話シーンなどが評価され、Steamのユーザーレビューでは97%が好評とする「圧倒的に好評」を獲得している。現在は、最終章となるエピソード3の追加を待っている状況である。

そうしたなか、昨年12月に放送された任天堂の「Indie World」にてNintendo Switch版が発表され、即日配信開始。まだ早期アクセスで開発中のタイトルがNintendo Switchにてリリースされる例は珍しいが、PC版では未対応の日本語を先行して追加し配信された。ただし、エピソード3は収録されていない。

今回発表されたNintendo Switch向けパッケージ版の発売延期は、そのエピソード3開発の影響を受けたものだという。エピソード3自体は今年春頃の完成を予定しているものの、そこからローカライズや移植作業を開始することになるそうだ。また、パッケージ版にはオフライン環境のみでの利用も想定し、ゲームカードにエピソード3まで収録した状態で発売すべきだと判断したとのこと。アップデートでエピソード3を追加するのではなく、最初から同梱された状態で発売する判断だ。こうした事情により、発売時期を遅らせる決断をおこなったようだ。


『ダンジョンマンチーズ』は、PC(Steam)/Nintendo Switch向けに(早期アクセス)配信中。エピソード3は、完成次第無料アップデートにて追加される。そして、Nintendo Switch向けパッケージ版は7月28日発売予定だ。初回出荷限定特典として、オリジナルサウンドトラックCDが付属する。また、春頃にはPS4/Xbox One版の配信も予定されている。