コナミの『悪魔城ドラキュラ』シリーズNFTアート、合わせて約1830万円で売れた。約300万円の値がついたドット絵も


コナミデジタルエンタテインメントは1月15日、NFTマーケットプレイスOpenSeaにておこなった、『悪魔城ドラキュラ』シリーズを題材としたNFTアートのオークションを終了。出品された14アイテムが、合わせて約16万ドル(約1830万円)相当にて販売されたようだ。海外メディアVGCなどが報じている。


コナミは1月6日、ファンに愛され続けてきたコンテンツをアートとして残していく取り組み「KONAMI MEMORIAL NFT」を発表し、その第1弾として、昨年シリーズ35周年を迎えた『悪魔城ドラキュラ』をテーマにしたNFTアートを披露。NFTとはNon-Fungible Token(非代替性トークン)の略で、ブロックチェーン技術を用いてデジタルデータに所有権の証明を発行するもの。すなわち、今回コナミが作成したアートには唯一性が存在し、それを価値とみなすことができるということである。

今回のオークションには、『悪魔城ドラキュラ Circle of the Moon』のメインビジュアルや、悪魔城全体をモチーフにしたピクセルアート、シリーズ1作目『悪魔城ドラキュラ』の印象的なシーンを中心に編集したダイジェストムービーなどが出品。イラストだけでなく、映像やBGMを含むデジタルコンテンツも作成された。そして、たとえば本稿のヘッダー画像にある悪魔城のピクセルアートは約2万6000ドル(約300万円)相当の暗号通貨にて落札された。

ちなみに落札者は、今後そのNFTアートを転売することが可能。そうした所有権の移転がおこなわれるたびに、コナミは最大10%のロイヤルティを受け取り続けることになるという。


今回コナミが実施したNFTアートのオークションに対しては、特に一般の海外ゲーマーは冷めた見方をする人が多いようだ。またメディアも、たとえばKotakuは「JPEG画像1枚が2万6000ドルで売れた」という見出しをつけるなど辛辣。そのコメント欄には、同じ画像をコピーして投稿し「タダで手に入れたぞ」というコメントが複数寄せられている。とはいえ、コナミはそうした批判を受けながらもNFTアート販売を通じて利益を確保することとなった。

なお他社の動きとしては、この間にはセガが「SEGA NFT」なる商標を昨年12月28日に出願していたことが広く報じられた。用途は家庭用テレビゲーム機用プログラムをはじめ多岐にわたり、同社もNFTを用いた何らかの取り組みを検討していることがうかがえる。同社は昨年、double jump.tokyo株式会社と協業し、NFTデジタルコンテンツの販売を2021年夏頃を目途に販売開始すると公表していたが、まだおこなわれてない。セガは昨年12月に実施したマネジメントミーティングの質疑応答にて、「ただの金もうけと思われてしまうようなものであれば、展開を見送るといった判断軸で考えていきたい」とコメント。ロゴまで制作していたようだが、慎重な姿勢を明らかにしている(関連記事)。NFTがもたらす付加価値をどう受け止めるかは人それぞれではあるが、“金もうけ”に使われていると感じている人はいるようである。


コナミは「KONAMI MEMORIAL NFT」について、今後も同社のIPによる新たな商品を検討していくとしている。今回のオークションにて各アイテムが高値で取引されたことを考えると、次はどのような人気作品がNFTアートとしてオークションに出品されることになるのか、注目している人もまた少なくないだろう。