『フォートナイト』iOS版が久々にプレイできるように。クラウドゲームサービスGeForce NOWを通じて


NVIDIAは1月14日、『フォートナイト』のiOS/Android版について、同社のクラウドゲームサービスGeForce NOWにて提供するためのベータテストを、来週から開始すると発表した。本作のモバイル版は、現時点で両プラットフォームのアプリストアでは提供されていないが、GeForce NOWを通じてプレイ可能になるようだ。


GeForce NOWは、NVIDIAが提供するクラウドゲームサービス。GeForce GPUを搭載するサーバー側でPCゲームを実行し、ユーザーのPC/スマホ/タブレットなどとの間で、操作入力とゲーム映像をやり取りすることでゲームをプレイできる。GeForce NOW自体はゲームを提供せず、SteamやEpic Gamesストアなど外部のデジタルストアと連携し、ユーザーがそれらのストアで購入し保有している対応PCゲームをプレイできることが特徴だ。日本ではソフトバンクとauが、それぞれのプランにて運営している。

先述したように、『フォートナイト』のiOS/Android版は、現在App StoreおよびGoogle Playでは配信されていない。2020年8月に開発元Epic Gamesが、独自の決済システムを本作に実装したことで、規約違反であるとして両プラットフォームから削除されたのだ。Epic Gamesは、両プラットフォーム側が提供する決済システムの利用手数料が高すぎることや、それぞれの独占的な地位を背景にして手数料設定がなされていると主張。AppleとGoogle両社との裁判に発展し、現在も争いが続いている。


そうした状況のなか、今回iOS/Android版がGeForce NOWを通じて提供される運びとなった。正確には、タッチ操作に最適化されたバージョンとのこと。Android版に関しては、ユーザーがGoogle Play以外から入手したアプリをインストールできる仕組みがあることから、Epic Games自ら公式に配信を続けているものの、iOS版は上述の配信停止以来、久しぶりにプレイ可能となる。『フォートナイト』は、これまでにもPC版がGeForce NOWに提供されていたが、iOSではプレイできなかった。

なおiOS版については、GeForce NOWアプリ経由ではなく、ウェブブラウザのSafari上でGeForce NOWにアクセスしてプレイするかたちになるという。これはAppleによる制限のためであり、『フォートナイト』以外のタイトルのプレイも同様。マイクロソフトのクラウドゲームサービスXbox Cloud Gamingも、Safariを経由することでiOS版のサービス開始に漕ぎ着けている。

モバイル版『フォートナイト』のGeForce NOW向けベータテストは、来週から数週間にわたって実施予定。現時点では、日本からは参加登録できないが、正式に提供される際には日本でもプレイ可能になるものと期待される。またNVIDIAは本作を皮切りに、タッチ操作に最適化されたゲームのGeForce NOWでの提供を拡大させていくことも明らかにしている。メーカー各社と協力し、PCゲームのタッチ操作対応を進めていくとのことだ。