多機能GC風コントローラー「Panda Controller」2億円以上の出資を集めるも開発プロジェクト中止。製造スケジュールの見通し立たず

eスポーツチームPanda Globalのハードウェア部門Panda Hardwareは12月28日、Nintendo Switch/ゲームキューブ/PC用コントローラー「Panda Controller」のKickstarterキャンペーンを中止した。出資者には返金がおこなわれる。

eスポーツチームPanda Globalのハードウェア部門Panda Hardwareは12月28日、Nintendo Switch/ゲームキューブ/PC用コントローラー「Panda Controller」のKickstarterキャンペーンを中止した。すでに初期目標金額を大きく上回る出資を得て、製品化が決定していたはずであったが、製造上の問題が発覚したことにより中止したという。出資者には返金がおこなわれる。
 

 

 
Panda Controllerは、ニンテンドーゲームキューブコントローラー風のボタンレイアウトを採用する、Nintendo Switch/ゲームキューブ/PC用コントローラーだ。Nintendo Switchのゲームやシステムに対応するボタンなどが追加されているほか、角を落とした丸みのあるボタン形状や、十字キーや振動機能のON/OFF、トリガーの押し込み距離の調節機能、重量を調節できる重りの付け外し機構など、eスポーツ競技での使用を目的とした仕様が盛り込まれている。また、基本は有線接続だが、拡張パックを取り付けることで無線コントローラーとしても機能する特徴をもっている(関連記事)。

本機のKickstarterキャンペーンは今年12月2日に開始。1台90ドル(約1万216円)とそれなりに高価だったが、開始から1時間経たずして初期目標金額の10万ドル(約1100万円)を突破。最終的に1万4713人から、目標の約19倍となる約190万ドル(約2億1800万円)の出資を集めることに成功していた。ロードマップも公開され、2022年初頭に最終的なデザインを確定し、6月から製造を開始。そして12月に出荷する予定とされていた。しかし、順調かに思われたプロジェクトは、今回突然キャンセルされてしまった。
 

 
Panda Globalによると、Panda Controllerは中国にて製造する予定だったという。しかし、新型コロナウイルス感染拡大に関連した資材不足に加え、計画停電の影響を受けることが今回明らかになったそうだ。中国では電力不足などを理由に、今年の中頃から各地で計画停電が実施。製造業の生産量への影響が伝えられており、本機の製造パートナーもそのひとつだったのだ。

こうした背景によって、2022年12月にPanda Controllerを出荷するという目標が不透明となり、延期するにしても明確なスケジュールを立てられない状況に陥った。Panda Globalは、このまま出資者の資金を預かっておくわけにはいかないとして、Kickstarterキャンペーンを中止し、全額返金する決断をおこなったそうだ。同社は、支援してくれた出資者に感謝の言葉を述べている。
 

*格闘ゲーム大会CEO 2021では、Panda Controllerのデモ機の出展もおこなわれた。

 
Panda Controllerは、『大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズなどで活躍する著名eスポーツチームが手がける、こだわりの詰まったコントローラーとして大きな注目を集めた。今回、残念ながらKickstarterキャンペーンは中止となったが、Panda Globalは内部的にプロジェクトを継続する考えを示している。現在、そのための投資家を探しており、またハードウェア部門のスタッフ拡充もおこなうという。Panda Globalは、将来さらに良い製品を提案するとファンに約束している。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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