好評SWAT体験FPS『Ready or Not』から突如パブリッシャーが外れる。「学校での銃乱射」ステージ示唆との関係疑われるも、スタジオは否定

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デベロッパーのVOID Interactiveは12月21日、同スタジオが開発するFPS『Ready or Not』のパブリッシャーからTeam17が外れたことを発表した。同作は自社パブリッシング作品となる。背景には、今後『Ready or Not』に含まれる可能性がある、コンテンツが関係していそうだ。
 

 
『Ready or Not』は、VOID Interactiveが手がけるタクティカル一人称視点シューターだ。プレイヤーは警察特殊部隊SWATの一員となり、チームと共に犯罪現場に突入。人質の保護や犯人の無力化など、状況に応じた任務を遂行する。本作は12月18日より早期アクセス配信が開始。開発元としては資金確保のためやむを得ず踏み切ったかたちだったが、ふたを開ければ多くのプレイヤーと高評価に恵まれる、好調な滑り出しとなった。本稿執筆時点で8000件以上のSteamレビューが寄せられ、ステータスは「圧倒的に好評」。ピーク同時接続数は1万5000件に迫る(SteamDB)。

ところが順調なスタートを切ったと見えた矢先、パブリッシング契約解消の発表がなされたわけだ。VOID Interactiveによれば、本件についてはVOID Interactive・Team17とも合意のうえでの結論だという。スタジオは今回の決定が『Ready or Not』の将来にとって正しい道だとし、Team17に対してはこれまでのパートナーシップに感謝を伝えるメッセージを発表している。
 

 
このタイミングでパブリッシング契約が解消された背景には、先日開発者が明かした「実装予定のコンテンツ」に原因があるのではないかと推測されている。12月20日、海外掲示板Redditにてあるユーザーが本作について投稿。「今後、『Ready or Not』のキャンペーンにスクールシューティング(学校での銃乱射)ミッションが含まれるか?」と疑問を投げかけている。これに対し、開発者が反応。「今後含まれるだろう」との意を返答していたと、海外メディアKotakuが報じている(現在該当コメントは削除されている)。この回答に対し、SNSでは議論が紛糾。そして翌12月21日には、パブリッシング契約解除の報せがあった。

スクールシューティングとは、学校における、生徒もしくは侵入者による乱射事件を指す。近年の例では2018年、米フロリダ州の高校で退学処分を受けた元生徒が校内で銃を乱射し、生徒や教職員17人が死亡した例がよく知られる。また今年12月にも、ミシガン州の高校で男子生徒が拳銃を乱射し4人が死亡した。アメリカで銃規制を提唱する非営利団体Everytown for Gun Safetyによれば、2021年だけでも合衆国では149件のスクールシューティング事案が発生。2020年より55%の増加を見せている。同国にとって、スクールシューティングは身近な脅威なのだ。

学校ステージは、たしかに『Ready or Not』がテーマとするSWATが任務を負うシチュエーションとしてはふさわしい。しかし、ゲーム内ではあるものの、スクールシューティングを扱うことには、賛否が分かれることとなったようだ。現在でもSNSでは、スクールシューティングを本当にゲームに含むべきか否か、ファンによる議論が続けられている。公式に発表されたわけではないものの、Team17とのパブリッシング契約解除の背景には、こうしたセンシティブな問題を避けたいという意図が絡んでいた可能性はあったのではないかと、指摘されている。
 

*『Ready or Not』の学校ステージの存在は、今回初めて明らかになったわけではない。2017年のトレイラーでは、すでに学校と思しき場面が映し出されていた(52秒ごろ)。

 
『Ready or Not』はPC(Steam/公式サイト)にて早期アクセス配信中。正式リリースまでの期間は1年間を見込んでいる。正式リリースに向けて、5つのステージや新規ゲームモードなどのコンテンツのほか、英語以外の言語サポートも追加していくとのこと。

【UPDATE 2021/12/24 16:13】 
VOID InteractiveはPC Gamerに対し、Team17との契約解消は、学校ステージとなんら関連性していないと、原因であるとの推測を否定した。これを受けて、本記事タイトルを変更した。VOID Interactiveはあわせて、一連の反響を受けTwitter上で自社の方針を示す声明を発表している。 

まず今回の言及にあたり、VOID Interactiveは同社の理念を引用した。同社では、主要なソフトウェアデベロッパーが保守や規範のために避けて通るような、高品質でインパクトのある作品を届けることが原則であるとしている。そのうえでは顧客やパートナーの声については耳を傾けているが、必ずしも同スタジオの方向を決定づけるものではないと言及。同社のゲームは、世界中の法の執行官(つまりSWAT)の仕事を称えるものであり、臆病な犯罪行為を美化することを意図したものではないとしている。 

とくに『Ready or Not』においては、扱う題材の難しさを踏まえて、真実性とリアリズムを尊重しているという。そのうえではファンやコミュニティだけでなく、トラウマ的な出来事の影響を受けた人々に対しても責任を負う必要があると伝えた。開発チームは『Ready or Not』の全コンテンツについて、敬意と重みをもって取り扱うとしている。 

くわえて「学校」という題材は、『Ready or Not』の物語だけでなく、世界中の多くの人々に関わるトピックであるとも言及。とくに、銃乱射事件で亡くなったひとや友人・家族、その場で行動した人などにもことだと触れた。そのうえでVOID Interactiveは、こうした人々の経験を過小化することなく、現実世界の悲劇を描くことで、被害者の敬意を払う役割を果たしたいと伝えた。 
 

 
全体を通じて、スクールシューティングを実際にゲームに実装するかは明言されていないものの、センシティブなトピックを扱ううえでは、責任をもって描写していくというスタジオの意思が伝えられている。 

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