『Apex Legends』一部でリージョンロック(サーバー固定)をおこなわれていることが公式発表。プレマス帯では、自国サーバーしか選べない
Respawn Entertainmentは12月21日、『Apex Legends』の一部でソフトリージョンロックを試験的に実施していたことを明らかにした。対象のユーザーは、自国のサーバーでしか遊べず、海外のデータセンターを選択することができなくなる。ランクマッチのマスター~プレデター帯が対象になっているという。
『Apex Legends』では通常、自国とは異なるサーバーでプレイすることも可能だ。設定からデータセンターを切り替えられるため、海外に住むプレイヤーと一緒に遊んだり、混雑しているサーバーを回避したりできる。これに対してリージョンロックは、ユーザーが選択できるサーバーを固定する仕組み。もっとも遅延が少ないデータセンターが自動的に選択され、実質的には自国のサーバーでしかプレイできなくなる。
Respawn Entertainmentによれば、ソフトリージョンロックはここ2週間で試験的におこなわれてきたという。フレンド同士でパーティを組んでいる際は、パーティリーダーのサーバーが適用されているとのことだ。テストの結果、中米/南米/日本/ヨーロッパにおけるサーバー人口のほとんどにおいて、自国のユーザーが戻ってきたことが明らかになったという。
スタジオは、ユーザーがさまざまな理由で自国外サーバーを選んでいることにも理解を示している。とりわけ多いのは、「自国サーバーにチーターが多いため、回避するために海外のサーバーを使いたい」という声だろう。Respawn Entertainmentはこうした声に配慮を示しつつ、今後数か月、セキュリティチームと協働して競技マッチの品質を向上していきたいとの姿勢を見せた。なお最近の取り組みとしてはあわせて、サーバーへの接続が悪いプレイヤーと戦うときのネットコードを改善する作業もおこなっていると伝えられている。
リージョンロック実施については以前から『Apex Legends』プレイヤーの間で噂されており、国内eスポーツチームReigniteに所属するGenburten氏などがツイートで指摘していた。先述のスタジオツイートでも触れられていたとおり、ユーザーのなかにはチーターの多い自国サーバーを回避したいという声も根強く存在し、リージョンロック実施には賛同の声も否定の声もあるようだ。
今回のリージョンロック実施に際して、Respawn Entertainmentは「高ランクでのランクマッチの競技的な公平性を保証するための手段を調査中」としている。その目的として海外メディアDexertoは、「高ランクのプレイヤーが人口の少ないサーバーで初心者狩りをするのを防ぐため」「ユーザーを自国サーバーに固定することで、チーターの影響がもっとも大きいサーバーを特定するため」といった理由があるだろうとしている。
以前から噂となっていたリージョンロック実施が公式に発表されるかたちとなった今回の告知。その賛否はいまだに分かれるところだが、どのような対策を実施するにせよ、透明性の高い施策がおこなわれることを期待したいところだ。