『Apex Legends』スキルベースマッチメイキングに不満の声が挙がり、開発者が反応。カジュアルマッチでの「圧倒的レベル差」は解消されるのか

『Apex Legends』において、「スキルベースマッチメイキング(SBMM)」が議論になっているようだ。『Apex Legends』開発者も反応を返している。

Apex Legends』において、「スキルベースマッチメイキング(SBMM)」が議論になっているようだ。開発者も反応を返している。同作において、カジュアルマッチなどでマッチングをする際に用いられているのがSBMMだ。同システムは、複数のマッチを通してプレイヤーのスキルレベルを評価。なるべく近いスキルレベルのプレイヤー同士をマッチングさせることで、公平な試合を実現する仕組みとなっている。 

しかし、『Apex Legends』のSBMMについてはその有効性に疑問の声も挙がっているようだ。あるユーザーは、海外掲示板Redditに自身の経験を投稿。同ユーザーのレベルは99であるにもかかわらず、試合ではレベル500程度、2万キルを稼ぐようなプレイヤーと頻繁にマッチングされてしまうという。本当にプレイヤーのスキルを評価してマッチングしているのなら、レベルがかけ離れたユーザーと同じ試合に入れられるのはおかしいのではないかとコメント。こうした経験を通じて、SBMMが機能しているのか疑問を投げかけているわけだ。
  

 
こうした声に対し、Respawn Entertainmentにてテクニカルゲームデザイナーを務めるexgeniarことAaron L氏がコメントを返している。同氏はまず、「高いレベルが高いスキルを示しているとは限らない」と前置き。『Apex Legends』では長く遊んでいれば自然と経験値が貯まっていくため、たしかにレベルの数値と実際の技術が比例しているとは限らない側面もあるだろう。 

そのうえでAaron L氏はさらに言及を続けており、「カジュアルマッチのマッチメイキングはときどき不安定になる」とコメント。「把握しています(It’s on my radar.)」と語っており、問題を認識している旨を伝えた。カジュアルマッチのマッチメイキングについては開発チームとしても評価のぶれを認識しており、問題が俎上にのっているということだろう。同問題については、今後改善される可能性もあるかもしれない。 
 

 
ちなみに『Apex Legends』のマッチメイキングについては、ときどき「EOMM」(Engagement Optimized Matchmaking)と結びつけて語られることがある。同技術は、2016年にElectronic Artsが特許を申請していたマッチメイクシステム。「プレイヤー同士の交流」「プレイスタイル」「ゲームへの取り組み方」「ゲーム内アイテムをどれだけ購入しているのか」「ゲームプレイの上手さ」といった要素をもとに最適なプレイヤーのマッチングをおこなうことで、ゲーム体験を快適にし、「プレイヤーの離脱を最小限なものにする」という技術だ(関連記事)。EAが提唱したシステムであることから、『Apex Legends』でも同技術が用いられているのではないかと考えるユーザーもいるようだ。 

ただし実際には、『Apex Legends』でEOMMが用いられているわけではない、ということが開発者の口から語られている。2020年、Respawn Entertainmentでテックデザイナーを務めるMichael Kalas氏がTwitterにてEOMMに言及。『Apex Legends』でマッチメイキングに携わっているスタッフは、誰も同技術の特許を読んだことすらないと明かしていた。 
 

 
『Apex Legends』では、ランクマッチのマッチメイキングにおいても、ユーザーのランクに格差が見られることが議論となっていた(関連記事)。どれだけのレベルやランクのプレイヤーと戦うことになるのかは、多くのユーザーの関心事項だ。SBMMも含めて、今後システムについては調整が続けられていくことだろう。 

『Apex Legends』は現在、シーズン11が開催中。また、本日12月21日まで「レイダーズ コレクションイベント」が実施中だ。 

Yuki Kurosawa
Yuki Kurosawa

生存力の低いのらくら雰囲気系ゲーマーです。熾烈なスコアアタックや撃ち合いを競う作品でも、そのキャラが今朝なに食ってきたかが気になります。

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