『Halo Infinite』のeスポーツ大会が、Xbox Series Xの“開発機”を使って開催へ。半導体不足の影響により市販本体を用意できず


FPS『Halo』シリーズのeスポーツ運営を率いる、マイクロソフトのTahir Hasandjekic氏は12月16日、この週末に開催する大会について、Xbox Series Xの“開発機”を使用すると参加者に告知した。

Xbox Series X|SやPlayStation 5の発売から1年が過ぎたが、今もまだ入手しにくい状況にある。世界的な半導体不足が大きな原因だとされているが、ゲーム機が潤沢に供給されていないことが、意外なところにも影響を及ぼしているようだ。

マイクロソフトは日本時間12月18日から、eスポーツイベント「Halo Championship Series」をアメリカ・ノースカロライナ州ローリーにて開催する。同イベントとして、最新作である『Halo Infinite』を初めて採用するメジャー大会であり、選手が一堂に会するかたちで実施される。

通常であれば、プロモーションも兼ねてウリであるゲームコンソール、『Halo Infinite』の場合はXbox Series X|S本体がズラリと並ぶ会場をみられるはずであったが、同イベントを取り仕切るHasandjekic氏によると、代わりにXbox Series Xの開発機が使用されるという。その理由について同氏は、世界的なサプライチェーン上の供給不足は現実に起こっているからだと説明した。

つまり大会に必要な数の、市販のXbox Series X|S本体を用意できなかったということだろう。Xbox Series X|Sを手がけている当のマイクロソフトでさえ入手できない、あるいは十分な台数を保有していないというのは少々意外な気もする。一方で開発機なら用意できるということは、案外市販の本体はそれほど多くは保有していないものなのかもしれない。

Hasandjekic氏は、大会で使用する開発機は「リテールモード」に設定されており、市販の本体とまったく同じ動作をすると説明。ゲーム体験も変わらないとし、ただ本体の見た目が違うだけだと述べている。

ちなみにXbox Series Xの開発機は、どちらかというとXbox Series Sのスタイルに近い横置き型となっている。サイズは一回り大きく、前面には各種情報を表示するディスプレイやボタン類などもあり、市販品とは趣が異なる。一般のゲーマーが目にすることはあまりない代物であるため、今回の大会に参加する選手たちにとっては貴重な機会となるかもしれない。

今年10月に開催されたイベントEGXにて目撃されたXbox Series X開発機 Image Credit: darth_antonio

なお、今回の事態の原因にもなった半導体不足についてだが、マイクロソフトのXbox事業責任者Phil Spencer氏は、2022年にかけて続くとの見方を今年10月の時点で語っている(The Wrap)。また、Xbox Series X|S(やPS5)にCPU/GPUを供給しているAMDのCEO Lisa Su氏も今年9月、状況が緩和してくるのは2022年後半になってからだと述べていた(CNBC)。これらの次世代機が、誰もが気軽に入手できるようになるまでには、まだ少しかかりそうだ。




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