終末世界オープンワールド『Kenshi』日本語大幅見直しアップデート配信開始。続編も見据え、より自然な日本語で過酷人生

Lo-Fi Gamesは12月14日、『Kenshi』にて新アップデートを実施した。同アップデートでは、日本語の大幅な見直しがおこわれている。

Lo-Fi Gamesは12月14日、『Kenshi』にて新アップデートを実施した。同アップデートでは、日本語の大幅な見直しがおこわれている。続編も見据えて、より自然な日本語でゲームがプレイできるようになる。

『Kenshi』は、文明崩壊後の世界を舞台にしたRPGだ。プレイヤーは選ばれし者などではなく、ましてや特別な存在でもない。何の力ももたない最弱の存在として世界に産み落とされる。この広大な世界でどのように生きるかはプレイヤー次第だ。仲間と共に困難と発見に満ちた世界を探検するか、農場をもって自給自足の生活を送るか、街から街へと交易品を売り歩く商人となるか。あるいは賞金稼ぎとして指名手配犯を狩る、盗賊として一大勢力を築き上げる、さらには反逆者として大国に牙をむくことさえも可能だ。自分の選んだその道が、自分だけの物語を紡いでいくことになる。


過酷な終末世界を自由に生きるオープンワールドゲームとして、多大な人気を獲得した『Kenshi』。同作は長きにわたり早期アクセス配信が実施されており、その際には日本語有志Modが作成されていた。2018年5月には公式に日本語テキスト表示に対応。公式日本語についても、ユーザーからのフィードバックを受け付けており、改善が進められていた。そのおかげで、、翻訳不備による支障などを感じず、本作をプレイできたことだろう。

しかし、Lo-Fi Gamesはまだ本作の日本語の出来には満足しきっていなかったようだ。これまでの日本語では、本来の『Kenshi』の伝承やダイアログの面白さが十分に伝えられていない部分もあったという。今回のアップデートでそれを改良しているそうだ。具体的な改善ポイントは以下のとおり:


ダイアログが会話として成り立っているか – 今回の改良版で最も力を入れたのがこの部分です。「Kenshi」では、ダイアログでの選択肢がゲームの成り行きに影響を及ぼすため、特にこの部分には力を入れました。また、ゲーム内には英国特有のアイロニーや冗談を話すキャラクター達がいるのですが、そういったキャラクター達をより身近に感じられるように翻訳し直しました。

内容に齟齬がないか – 今までの「Kenshi」の翻訳は数人の翻訳者たちによって翻訳されていたのですが、これが固有名詞やキャラクター達の話し方等に大きな齟齬を生じさせる原因になっていました。今回はそういった齟齬をできるだけなくすように改良されています。

「Kenshi」の世界観が保たれているか – 今回の新訳で大きく変わった部分として、敬語を使わない、また性別を判定できる翻訳 (女っぽい話し方など)を取り除く、という事が挙げられます。その背景には、本来ゲーム内でキャラクターがランダムに呟く設定があるため、そのように翻訳するように指定されていたという事が挙げられます。これは賛否両論分かれる部分だと思いますが、できるだけ「Kenshi」の世界観を壊さずに翻訳するよう心掛けました。

固有名詞の変更 – 今まで間違って翻訳されていた場所の名前や日本語に直す必要がないと思われる固有名詞等をカタカナ表示にする等して変更しました。その中には「眼窩」や「オクランの盾」なども含まれます。すでに長い間、皆さまに親しんで頂いてきた固有名詞を変更する事には躊躇しましたが、「Kenshi 2」に登場する可能性のある名称などもあり、今後齟齬が生まれないよう変更いたしました。




これらの翻訳については、『Kenshi』のPRや日本語コミュニティを担当しているMeg氏が担当している。同作は日本で大きくヒットしたこともあり、日本コミュニティ向けに積極的な情報発信がおこなわれている。同氏が続編となる『Kenshi 2』の翻訳も担当。それにあわせて、前作の用語や翻訳の方針を統一する取り組みがおこなわれたようである。同じ作品で日本語が幾度も見直されているのは珍しい。改良の余地があったという面も考慮しなければならないが、開発元の日本ユーザーへの熱い想いが見てとれる。


なお今回の日本語アップデートにあわせて、コミュニティイベントとしてダイアログチャレンジがおこなわれる。バニラ状態のゲームをいちからプレイし、ゲーム内時間50日もしくは100日以内に、20のチャレンジのうちどのくらいをクリアできるかを競う。チャレンジ内容は、皇帝に話しかけてみる、レッドと会話し仲間に入れるなど幅広い。セトを仲間に引き入れることができればダブルポイント獲得だ。チャレンジを多くクリアしたプレイヤーのうち5名に、サイン入りTシャツが贈られる。新たな日本語で彩られた『Kenshi』の世界で、過酷な挑戦に挑む、なかなか燃えるチャレンジになるだろう。詳細は公式サイトをチェックしてほしい。

『Kenshi』は、PC(Steam)にて配信中。続編である『Kenshi 2』についての情報公開も定期的におこなわれている。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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