『スマブラSP』の非公式データベース「シラツキ理論」が話題。機械学習で集めた“主観なき”データでキャラランクや相性を提示

『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』の非公式データベースサイト「シラツキ理論」が一部で話題となっているようだ。集積され続ける圧倒的な情報量から生み出されるキャラデータなど。

大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』(以下、スマブラSP)の非公式データベースサイト「シラツキ理論」が一部で話題となっているようだ。集積され続ける圧倒的な情報量から生み出されるキャラデータなどが、プレイヤーの参考になるようである。『スマブラSP』を研究するTwitterユーザーXendam氏の投稿により、話題にのぼっている。

https://twitter.com/Xendam_/status/1467666855724974081


「シラツキ理論」のメニューは大きく分けて、「キャラ紹介」「キャラランク・人気・使用者一覧」「キャラランク」「キャラ人気ランク」に分けられている。コンテンツ名こそシンプルであるが、それぞれが奥深い。「キャラ紹介」では、それぞれのキャラを選ぶとキャラ紹介やキャラ相性、フレームやバーストのデータ、サブキャラ相性などが掲載されている。

「キャラランク・人気・使用者一覧」「キャラランク」「キャラ人気ランク」は、やや似ており、オフライン/オンライン大会のキャラランクや、キャラ人気ランクのデータおよび評価が記載されている。それぞれ最新のデータだけでなく、過去データが記載されている点が興味深い。ひとまず自分の使用キャラの「キャラ紹介」を見るだけでも、興味深いデータ群が載っているだろう。

Image Credit : シラツキ理論 / 任天堂


面白いのは、これらのデータはさまざまなサイトに掲載されたデータをAI/機械学習によって収集し構築していること。たとえばキャラ相性については、対戦交流サービスのスマメイトのデータから引っ張りだし、表にされている。またキャラ人気やランクについては、オン大会とオフ大会の両方を参照し、そこから各キャラのランクが割り出されているのである。どの情報を参照するにしても、その根拠となるソースやデータが記載されているのだ。このサイトのデータには、基本的に主観が排除されている。特にキャラランクなどは主観で作成されることがほとんどであるので、その説得力はまったく異なるだろう。

管理人であるシラツキ氏にとって『スマブラSP』は、初めて遊んだ『スマブラ』作品だという。しかし『スマブラ』シリーズには長い歴史があり、複雑な仕様が随所に見られ、キャラ対策にも時間がかかる。今作から始めたプレイヤーは、ガチ対戦においては知識面で不利だと感じたそうだ。そこで、キャラ紹介のページをコンパクトにまとめ、最低限必要な情報を取得できるように工夫したとのこと。客観的なデータに基づいた内容であることも強調されている。

Image Credit : シラツキ理論 / 任天堂


一方で、シラツキ氏はこのデータの正確性については、必ずしも正しいわけではないと強調。そもそもでいえば、同サイト内のあらゆるデータは参照元自体に左右されるものであり、またそこから結論を導く際の基準などで、結果は変化する。ゲーム内のデータを公式に参照し導きだされた数字ではないので、あくまで非公式な情報でしかないわけだ。そうした注意書きをシラツキ氏はサイト内に明確に記載している。

そうした注意事項を把握した上で参照するならば、『スマブラSP』プレイヤーにはなかなかに面白いサイトといえる。シラツキ氏はデータの収集自体は2021年初頭時点で開始しており、サイト自体は5月に公開されたようである。これまでも一部のユーザーに読まれていたが、Xendam氏のつぶやきにより、より幅広いユーザーから読まれ始めたのだろう。『スマブラSP』については、研究コミュニティの層が厚くさまざまなユーザーがデータを寄せている。『スマブラSP』の奥深さや、そうしたコミュニティの分厚さを感じさせる事例のひとつといえそうだ。


【UPDATE 2021/12/9 13:20】
ヘッダー画像を、シラツキ理論に掲載されている「オンライン大会のキャラランク2021年9月」のものを使用しておりましたが、記事内容およびシラツキ理論のサイト精度について誤解を与えかねないものだったため差し替え。



※ The English version of this article is available here

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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